このビールはこんな感じ!
・「レモンティー」という表現がピッタリのアメリカンウィート!
・紅茶好きにおススメ!
・しっかり苦いので、飲む前に本記事をチェック!
・アメリカのグースアイランドが贈るライトテイストビール
Hello!
本日の一杯はアメリカの「グースアイランド ビールカンパニー 」から「312アーバンウィートエール」をご紹介します。
世界的大企業「アンハイザーブッシュインベブ」の傘下に入っているグースアイランド。
よく見かける「IPA」に比べるとマニアックゾーンに入る(?)312。
もくじ
グース312 アーバンウィート エール 基本スペックとおススメできるひと
※上記写真はリニューアルパッケージ前を購入して撮影
▶:リニューアルしたパッケージ(現行品)
価格帯
☆☆ 300-400円レンジ
入手難易度
☆☆☆ ネット購入が無難
アルコール度
4.2%
タイプ
アメリカン ウィートエール
グース312 アーバンウィート エールの味わい
- レモンティー午後の紅茶+水あめのように甘い香り
- 主軸のテイストはレモンティー、タンニン的苦みを感じる
- ふくよかな小麦の口当たりは後半感じてくる程度
- 香り・味に対して最後の苦みはしっかり感じる
テイスト分布図
参考
<数値について>
▶あっさり:3.0 ☞スッキリめ
▶コク :1.5 ☞ライトテイスト
▶苦み :2.5 ☞しっかり感じられる
▶酸味 :1.5 ☞ほのかに
▶甘み :1.5 ☞ほのかに
こんな方におすすめ
- アメリカのライトビールが好きなひと
- 紅茶好き
- 気楽に飲めるビールを探しているひと
こんなシチュエーションで
- 平日の昼下がりに
- ハンバーガーを食べながら
- 趣味に没頭する時の相棒に
まるでレモンティー!ビールの面白さを教えてくれる【グース 312 アーバンウィートエール】
ビールにはほかのお酒には無い「無限のテイスト」を表現できる拡張性があると感じている管理人。
今回ご紹介するブランド「グース312 アーバンウィートエール」もそうした”新しい可能性”を見せてくれる1本でした。
ということで「アメリカンウィートエール」の特徴について解説してみます👇
アメリカンウィートエールってなに?
<アメリカVerの小麦ビール>
スタイル名のように「Wheat ウィート(意:小麦)」を使用したビアスタイル。
小麦を原料としたビールは「白ビールの代表=ヴァイツェン」や
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ベルリンの名物として生まれた「ヴェルリーナヴァイセ」
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「ベルギーのベルジャンホワイト」のような世界中で愛されているため、小麦入りのビールはなメジャーなジャンルです。
管理人のROCKが調べた限り、アメリカで小麦ビールを造り始めた時代(いつ頃かは不明)ドイツのヴァイツェンのようなビールを造るために不可欠な「酵母」が入手できず、アメリカンラガー酵母を使用したという説が見つかりました。
<ヴァイツェンのようなバナナ香り・エステル香は無い>
ビールのスタイル(種類)を分ける決定的な違いは「酵母」。
細かいことを言えば、原料の大麦・小麦、ホップ+副原料の配合量や煮沸時間などの行程も影響しますが、ビールの主役は出来上がった麦汁を発酵してくれる酵母の力です。
数多ある種類の酵母からヴァイツェンを生み出す酵母やラガーを生み出す酵母など種類によって目指したいスタイルが分かれるのです。
「アメリカンウィート」は前述したドイツのヴァイツェンやベルギーのベルジャンホワイトの酵母以外で醸造されているため、同じ小麦を使用したスタイルでも香りは全く異なります。
管理人の調べだと、アメリカンウィートは醸造所ごとの設計によって「エール酵母」または「ラガー酵母」どちらも使われている傾向がありました。
ラガー酵母であれば軽口なテイストですし、エール酵母だと複雑味を感じさせるアメリカンウィート。
<有名なブランドだと>
アメリカのアンカースチームが出す「アンカー サマー ウィート」
(※季節商品)
和歌山県のナギサビールが出す「アメリカンウィート」
新潟県の沼垂(ぬったり)ブルワリーが出す「文旦(ぶんたん)ウィートエール」
アメリカンウィートの魅力はラガーのような軽口で”ほかのテイスト”と一緒に乗るのが上手い印象です。
今回のグース312アーバンウィートエールはアメリカンウィートの飲みやすさが活かされたブランド。
エール酵母の選択が絶妙で滑らかな口当たりに「レモンティー」という表現がしっくりきました。
実際に紅茶葉を使用した「紅茶ビール」は世に出てますが、このアーバンウィートエールには入っていません。
麦とホップと酵母の組み合わせで多彩な味わいを表現出来るビールの”可能性”を感じさせてくれました。
ビアカクテルの雰囲気でガンガン飲んで欲しいブランドですが、1点だけ。
レモンティーの風味ですがホップの苦味がしっかり感じるので苦いのが得意では無い人は要注意です。
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アンハイザーブッシュの日本法人:インベブ ジャパンで展開中
アンハイザーブッシュインベブ(略:ABインベブ)は世界で最も規模の大きい酒類製造会社。
世界50か国以上に生産拠点、総従業員数18万人という巨人企業は、ベルギーのルーヴェンという都市に拠点を置いています。
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その世界企業が日本でも自社が抱える数々のブランドを展開するため、日本法人を置きました。
参考
▶:2011年 Goose Island Beer Companyを傘下にする
▶:2015年 日本法人を設立
▶:2016年 グースアイランドブランドの国内展開開始
今回はグースアイランドでしたが、ABインベブ社が抱えるブランドとしては当サイトで
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パーティでの御用達ブランド「コロナ エクストラ」など。
ABインベブ社が抱えるブランドはどれも超有名どころなので、みなさんも一度は見たことがあるはず。
グース アイランドのスタート:アメリカの大都市「シカゴ」について
アメリカの大きな都市といえば、ニューヨークやロサンゼルスが多く挙げられますが、シカゴはそれらに次いで「アメリカで3番目に人口の多い都市」として認知されています。
人口は280万人前後で推移しており、日本の人口と比べるとピッタリの数字では無いですが、京都府ぐらいでしょうか。
元々シカゴは先住民である「インディアン」が内陸交易の場として機能していたと伝えられている場所。
1800年代にはアメリカの工業が発達し鉄道の登場や運河整備により人口が増加。
多くの人が集まり、街が発展しアメリカ第3の大都市にまで成長しました。
余談ですが、以前アメリカのブランド「パブスト ブルーリボン」で紹介したウィスコンシン州ミルウォーキーはシカゴの真北。
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この辺りは麦の一大産地としてドイツ系移民が多く入植してきた土地だけに、ビール醸造所が数多くひしめき合っています。
シカゴの観光名所
■ 有名観光スポット
【ミレニアム・パーク】
▶ シカゴを代表する写真スポットで憩いの場でもある
【ジョン・ハンコック・センター 360シカゴ】
▶ 大都市シカゴの夕景・夜景を見るなら!
【シカゴ科学産業博物館】
▶ 巨大科学&乗物展示物で1日居られる!
■ こちらも忘れちゃいけない!
▶ 【シカゴ美術館】
▶ 【フィールド博物館】
▶ 【リグリーフィールド球場】
などなど・・・
管理人の好みと偏見が多い紹介でしたが、シカゴにはまだまだたくさんの見どころがあるため、数日は滞在したい・・・!
TIPS:アメリカの基本情報
国名:アメリカ合衆国
首都:ワシントン特別行政区
言語:英語
人口:約3億3千万人(2019年)
宗教:キリスト教が主流
日本から直通便:ニューヨークやシカゴなど多数都市と結んでいる
通貨:米ドル(1ドル=平均100円前後)
日本との時差:東西エリアで14-17時間と差がある(日本が12時なら米が深夜10時~)
アメリカのバラク・オバマ元大統領も推す[Goose Island Beer Company]
今ではコンビニでも取り扱いするまでに販路を広げている”ガチョウ”がトレードマークのグースアイランド。
その由来は創業地のシカゴにある「人工島 グース島」から付けられています。
グースアイランドが世界中に知られている話題として、2010年6月にG20首脳会議のためカナダのトロントに訪れたバラクオバマ(元)大統領とイギリスのデーヴィッド・キャメロン(元)首相の一コマでしょう。
当時、両名は同年のWorld Cup(南アフリカ大会)でイングランドVSアメリカ戦の勝敗を賭けていたと言われています。
もちろん、お金を担保にしてはおらず、お互いの地元のビールを賭けるというルールにしていたそう。
気になる勝敗は引き分け・・・!
ということで、お互いのビールを交換し合うことに。
オバマ大統領の地元はシカゴということから、彼が取り出してきたのがグースアイランドの「312アーバンウィートエール」。
参照画像:ホブゴブリンHPより
キャメロン首相はオックスフォードシャー州ウィットニーにあるウィッチウッド醸造所の「ホブゴブリン」を取り出してきました。
この出来事は今回ご紹介している「312アーバンウィートエール」に因んだエピソードとしてビールファンの間では非常に有名です。
そんなオバマ大統領に推されているほどのグースアイランド、その歴史を築き上げた人物を解説していきましょう。
創業者の「ジョンホール氏 John Hall 」
参照画像:Business Insider より
『ロンドンのフラーズ社のように、シカゴを代表するビールメーカーになりたい』
(出典:Brewersjournal)
そう語っていたと言われているのが創業者のジョン・ホール氏。
醸造所 Fulton Street
彼は1988年にかねてからの願いであったシカゴでビールメーカーを立ち上げました。
グースブランドを生産しているのがアメリカに拠点を置く会社「Goose Island Beer Company」が誕生したきっかけは、創業者ジョン・ホール氏がヨーロッパを旅したときに味わったビールの数々から着想を得ています。
どのような旅だったのかまで追えませんでしたが、彼がヨーロッパで様々なテイストのビールからインスピレーションを受け『故郷のシカゴでも』という考えに至ったと言われています。
1988年に開業したグースアイランドは、当時のシカゴで99番目にブルワリーとして登録され、およそ7年で現在のFulton street醸造所を操業させるまでに成長しました。
参照画像:Goose Island HPより
1992年にはジョン氏の息子で醸造責任者でもあるグレッグ氏の主導でバーボン樽を再利用、ビールを樽に仕込んだ「バーボンカウンティスタウト」を始動(2005年にようやくリリース)
参照画像:Goose Island HPより
4年後の1999年にはブリューパブ「Clybourn Avenue Brewpub」のオープンとシカゴで美味しいクラフトビールと言えば「グースアイランド」と言われる声が強まってきました。
2011年グースアイランドは世界規模No1の酒類メーカー「ABインベブ社」に3880万ドルで買収され、傘下となります。
なぜ買収されたのか?
理由について詳細な記述を見つけることが出来ませんでしたが、米国のネット記事にはABインベブ社のビール事業の主力(バドワイザーなど)「ピルスナー」で、買収時の2010年代はこうした”工業生産”のビール市場の売上が下がり続けている背景があると言われています。
ここからはあくまで管理人の推測ですが、日本のビール市場のように大衆ビールを飲むひとの減少、多くのお酒を選ぶ選択が出来るようになったこと(価値観の多様化)を打破するために、ABインベブ社は魅力のあるクラフトビールブランドの補充が必要だったのでは?と推察します。
かくしてホール家によって創業されたグースアイランドはABインベブ社の傘下に入ってから世界ブランドとして販路を拡大。
現在では、世界5か国(下記参照)に工場を持つほどの世界展開をするようになりました。
まとめると
<創業者>
・ジョン・ホール氏(元パッケージングサービス勤務)
※補足 グレッグ・ホール氏(ジョン氏の息子、醸造責任者で2011年に辞任)
<創業年>
・きっかけ ジョン氏がヨーロッパ周遊で多様なビールスタイルに感動
・1988年 「Goose Island Beer Company」誕生(Wrigleyville、2015年廃業)
・1992年 グレッグ氏がバーボン樽を利用した「バーボンカウンティブランド」に着手
・1995年 醸造所「Fulton Street」操業(現行の醸造所)
・1999年 ブリューパブ「Clybourn Avenue Brewpub」開業
・2011年 ABインベブ社の買収とグレッグ氏の脱退
▶ 現在 =定番ブランドはABインベブ社によるアウトソーシング
プレミアムブランドのみFultonで生産
▶小ネタ Fulton以外にも5か国にそれぞれ醸造所を開業👇
・中国 上海
・韓国 ソウル
・ブラジル サンパウロ
・カナダ トロント
312アーバンウィートエール以外にも多種多様な品揃え!
海外のビールブランドを扱っていると、こう思います。
”編集後記”風につぶやくと、そう思わざるにを得ない気持ちにさせられます。
グース アイランドも「そんな気持ち」にしてくれるほど、本国では多種多様なブランドを展開しています👇
ラインナップ
<通年販売品>
■ Lemonade DHANDY (4.2%)
■ 312 URBAN WHEAT ALE (4.2%)
■ LOST PALATE HAZY IPA (6.3%)
■ GREEN LINE (5.4%)
などなど・・・(一部割愛)
<季節限定>
■ GUAVA SQUAD (6.0%)
■ SUMMER TIME (5.0%)
■ OKTOBER FEST (5.7%)
などなど・・・(一部割愛)
日本では「312 アーバンウィートエール」や「ミッドウエイ セッションIPA」なども輸入されているので、ここはABインベブ社の販売活動を期待したいところです。
ちなみにですが、本国HP(上記URLから)にはこれまでグースが販売してきたラインナップについて覗くことができます・・・!
2022年4月現在の掲載数は60以上にも及びます(ホーム画面から【BERRS】→【ARCHIVED】をクリック)
グース 312アーバンウィートエールのレビュー まとめ
こんな方におすすめ
- アメリカのライトビールが好きなひと
- 紅茶好き
- 気楽に飲めるビールを探しているひと
こんなシチュエーションで
- 平日の昼下がりに
- ハンバーガーを食べながら
- 趣味に没頭する時の相棒に
紅茶飲料が好きなひとにはたまらないレモンティーテイストが印象的な「グース 312アーバンウィートエール」。
たまには定番のビールから一歩飛び出してアメリカの大手ビールを楽しんでみませんか?
至福の時間をぜひ。