このビールはこんな感じ!
- ブランデー風の甘味とコクが楽しめる満足感のあるスペインブランド!
- 1杯に「満足感」を求めるひとにおススメ
- 「ブランデー」の風味が苦手なひとにはおススメしにくい
- スペイン・アンダルシア発の有名ブランド
Hola!(オラ!)
本日の一杯は情熱の国スペインから個性的な逸品「クルスカンポ」をご紹介します。
さっぱりしてドリンカビリティの高いブランドが多いスペインのビールですが、クルスカンポはモルティでコクが楽しめるブランド。
もくじ
クルスカンポ 基本スペックとおススメできるひと
価格帯
☆☆ 300〜500円レンジ
入手難易度
☆☆ 海外ビールに強いリカーショップで
アルコール度
5.6%
タイプ
ピルスナー
クルスカンポの味わい
- ブランデー的なコクと甘み、香り
- 中盤から麦の風味、ブランデーと若干のカラメルが続く
- コクとあっさりの同居したバランス
- 終盤はじわーっとカラメルを焦がした苦み
テイスト分布図
参考
数値について
▶あっさり:2.5 ☞適度な
▶コク :2.0 ☞やや控えめ
▶苦み :2.0 ☞やや控えめ
▶酸味 :1.5 ☞少し感じる程度
▶甘み :3.0 ☞生食パンのような甘味
▶香り :3.0 ☞ブランデーのような芳醇なアロマ
こんな方におすすめ
- スペインの大衆ビールに興味のあるひと
- 麦系の甘さに心惹かれるひと
- ブランデーの風味が口に合うひと
こんなシチュエーションで
- 食後のお酒として
- スペイン料理といっしょに
- 一杯の満足感を求めるときに
スペインビールでふくよかなコクと味わいを求めるなら【クルスカンポ】
今回は、スペイン・アンダルシア州に来たら飲みたい大衆ビール「クルスカンポ」の魅力に迫っていきます。
これまで当サイトではスペインの大手大衆ビールをいくつか紹介していきました。
これまでスペインのビールといえば・・・👇
ビールとは思えない「柑橘系の香り」と「スーっと入る飲み口」で非常に評価の高い「イネディット」
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刺激的な炭酸の力強さとグイグイ飲んでいける気軽さがデイリー消費向けな「エストレージャ ダム」
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スペイン産メルツェンという希少性と洋酒に似た熟成感が楽しめる「ボルダム ダブルモルト」
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クルスカンポの特長をさらに強調した感のある「レゼルヴァ・エスペシアル」
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もっちりした甘みで満足感の高い「エストレージャ ガリシア」
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上記の紹介ビールブランドと比べると、今回のクルスカンポは個性的なテイストになっています。
ビアスタイルこそピルスナーに該当しますが、どことなくメルツェンあるいはデュンケルのような褐色系コク旨スタイルを彷彿とさせる深みを感じさせるつくりです。
栓を開けて注ぐと”ブランデー”。
おとなのお酒をイメージさせる香りは味わいも裏切りません。
口に含んでのどを過ぎるあたりから、カラメルを焦がしたような苦味がじわっと体を駆け巡るのが、個性的。
ごくごくと飲んで楽しむDAMM社のブランドとは大きく異なるテイストに、スペインビールの幅広さを感じさせます。
しっかりした特長を持つため、ブランデー・カラメルの風味を楽しめるひとにおススメします。
※そもそもビールの種類や原材料についてよく分からない!というひとにおススメの記事
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輸入販売しているのは多くの海外ブランドを引っ張っている「池光エンタープライズ」
裏面を見ると輸入元は「池光エンタープライズ」という輸入商社。
いったいどんな会社なのでしょうか?
という疑問を胸に輸入販売している池光エンタープライズについて調べてみました👇
池光エンタープライズってこんな商社!
▶ 1980年創業の酒類輸入販売業者
▶ 1985年にタイのシンハー日本総代理店として販売活動
▶ 2008年に東証一部の総合商社カメイ100%子会社に
タイのシンハーは以前本サイトでもご紹介したことのある超有名ビールブランド👇
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【レビュー】タイ シンハー:味の特徴とこんなひとにオススメ!
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全般的に世界のお酒を扱っていますが、私たち消費者からするとスーパーでアジア系ビールブランドを手にするときに出会う機会が多いでしょう。
そんな池光エンタープライズは、親元であるカメイ株式会社という会社が母体です。
カメイ株式会社は1903年(明治36年!)に創業した超大手商社です。
創業者亀井文平氏が宮城・塩釜で創業し、石油・LPガスなどのエネルギー商材を中心に産業部材・食品など幅広い商品を扱っています。
池光エンタープライズは2008年、カメイの傘下に入りましたが、その後も中国の青島ビール日本総代理店契約を締結するといった海外のお酒の輸入拡販に努めています。
池光エンタープライズの取り扱いビールブランド
▶ 台湾:台湾ビール金牌
▶ 中国:青島ビールブランド5種類
▶ タイ:シンハー・チャーン・リオ他
▶ ベトナム:333・サイゴンブランド2種類
▶ インドネシア:ビンタン
詳しくは公式HPで!👇
クルスカンポの拠点:スペイン アンダルシア州セビリアへ
クルスカンポを醸造している本部があるのは、スペイン南部のアンダルシア州。
その州都として人口70万人ほどの大都市がセビリアになります👇
州都だけに、空港もあるので(バルセロナなどの大都市空港からの経由)観光に行こう!となった場合は利便性Good!
ジブラルタル海峡そばの好立地な地域だったため、紀元前から地中海貿易で栄えた歴史を持ちます。
現在では、国際博覧会の会場場所に指定されるなど、スペイン南部の発展都市としての地位を確立しています。
セビリアの観光名所
■ ぜひ立ち寄りたい
【カテドラル】 ※世界遺産
【アルカサル】 ※世界遺産
【マエストランサ闘牛場】
■ 歴史を学ぶなら
などなど・・・
セビリアの名所である世界遺産は多くの旅行者の間でぜひ訪れたいというほどに評判が良いです◎
訪れる機会があれば、併せてスペインの代名詞(?)フラメンコ舞踏を見学しにいきましょう!
TIPS:スペインの基本情報
国名:エスパーニャ王国
首都:マドリード
言語:スペイン語
人口:約4700万人(2019年)
宗教:キリスト教
日本から直通便:マドリード
通貨:ユーロ(平均で1ユーロ=120円前後)
日本との時差:8時間ほど遅い(例:日本 10:00 西 2:00)
ワイン業者の家庭から飛び出したオズボーン兄弟【クルスカンポ】
クルスカンポという、私たち日本人には「ちょっと変わったブランド名」のビール。
ぜひこの章で、ブランド名の由来から創業者の経歴まで、いっしょに触れてみましょう!
まず最初に説明したいのが創業者について。
クルスカンポを立ち上げたのは、今から100年以上前に「オズボーン」という家名の男性2人でした。
その2人は兄弟「兄:ロベルト」「弟:トマス(Jr)」
オズボーン家は由緒代々ワインを醸造する家系。
本来であれば、家業を継いでワイン醸造の道に進みそうな流れですが、2人はそうしません。
後世に伝えられる理由としては
①スペインワイン以外のアルコール市場を開拓したかった点
②新しい産業を生み出すことで地域の失業率を改善したかった
③19世紀後半ーラガービール誕生によるビールの将来性を感じて
とされているようです。
弟と一緒にビール事業を興したロベルト氏
※創業時の写真
▶ 参照画像:ハイネケンエスパーニャ 公式HPより
オズボーン兄弟はビールについて学ぶために、ドイツへ渡ります。
彼らの未来予想ではワインをこよなく愛する母国でもビールによる大量消費の波が来ると予見していました。
チェコを→ドイツを通じてエールビールからラガービールへの大変革により世界中でビール熱が広がっていった時期から、家業の将来性など色々考えながらの選択だったと想像できます。
※クルスカンポの旧工場
▶ 参照画像:Wikipediaより
かくして1904年、オズボーン兄弟による醸造所「クルスカンポ」はセビリアのネルビオン地区にて誕生、ビール生産を開始するのでした。
一説によるとセビリアの水質がチェコ(ピルスナーウルケルのピルゼン)と同様の軟水が湧いていることから、オズボーン兄弟がラガービールの醸造に挑戦で来たとも。
※1907年当時のクルスカンポビール
▶ 参照画像:ハイネケンエスパーニャ 公式HPより
1916年には弟のトマス(Jr)がクルスカンポを離脱し、家業のワイン事業を引き継ぐことに。
現在でも「オズボーングループ」としてワインだけでなく豚肉加工品や蒸留酒などスペインが誇る食産物を取引する大企業として運営されています。
※初登場時のカンブリヌス(ちょっと怖い)
▶ 参照画像:ハイネケンエスパーニャ 公式HPより
ちなみにクルスカンポを象徴するラベルのカンブリヌスですが、1920年代には登場しています。
(公式HP(1920年記載)とハイネケンエスパニャHP(1926年)とで時代のズレあり)
ギネスブランドへの買収~ハイネケンブランドの1つとして
1990年ー1991年にかけてアイルランドのギネス社による買収で傘下となります。
ついで1999年にはオランダのハイネケンGrの傘下に。
”たった10年で2回”も大手企業に買収される形で翻弄されます。
現在は「ハイネケン・エスパーニャ」の1ブランドとして生産・出荷しています。
巨大資本のブランドに吸収される形をたどりましたが、今でもスペインを代表するビールブランドとして世界中に輸出され、ビールファンを楽しませてくれているクルスカンポ。
オズボーン兄弟が創業時に予見していた”ビールの未来と可能性”
いま私たちが世界中のビールブランドを手にして楽しんでいる姿を見たら、きっと”にんまり”するかもしれませんね。
<Infomation>
<創業者>
ロベルト・オズボーン・ゲサラ
(Osborne Guezala, Roberto1871 年 4 月 15 日 – セビリア、1937 年 4 月 11 日)
弟のトマスJrもビール事業に参加
<創業年>
1904年
<ブランド名の由来>
醸造所の近くにあったキリスト教寺院「クルスデルカンポCruz del Campo」から命名
<沿革>
1871年 イングランドから移住した父:トマス 母:エンリケタの下、ロベルトが誕生
1904年 弟:トマス(Jr)といっしょに創業、クルスカンポの第1号ビールがリリース
1916年 弟:トマスJrが離脱(後年 ワイン会社を設立)
1937年 創業者のロベルトが逝去
1965年 スペインの同業者「ヘニンガー エスパニョーラ Henninger Española」醸造所を買収し、グループ会社へ
(ヘニンガー社は後述の買収騒動でブランドとして消滅したとされる)
1993年 英国・ギネス社がクルスカンポを買収、ギネスの親元:ディアジオのグループ化
2000年 オランダ・ハイネケン社がディアジオからクルスカンポを買収、以後現在に至る
クルスカンポの限定品「グランリゼルヴァ」「クリスマスVer」などは本国で
クルスカンポは日本での販売において、今回のブランドしか取り扱いがありません。
ですが、本国のスペインでは貴重な限定モデルが多数存在します!
ラインナップ(一例)
■ CRUZCAMPO GRAN RESERVA 1904 (6.4% スペシャルビール)
■ Christmas Limited Edition
上記のブランド以外にも、レモンジュースを混ぜて作るビアカクテル「ラドラー」も!👇
クルスカンポのレビュー まとめ
こんな方におすすめ
- スペインの大衆ビールに興味のあるひと
- 麦系の甘さに心惹かれるひと
- ブランデーの風味が口に合うひと
こんなシチュエーションで
- 食後のお酒として
- スペイン料理といっしょに
- 一杯の満足感を求めるときに
スペインの大衆ビールブランドのなかでは個性的なコクと甘みを感じさせる「クルスカンポ」。
たまには定番のビールから一歩飛び出してスペインの大衆ブランドビールを味わってみてはいかがでしょうか?
至福の時間をぜひ。