このビールはこんな感じ!
・IPAという骨組みに「ほどよい酸味と甘み」が肉付けされた万人におススメするIPA
・IPAを初めて飲むひとには特におススメ!
・特徴的、刺激的な味わいが欲しいひとには物足りない?
・グースアイランドの顔と呼べるフラッグシップモデル!
Hello!
本日の一杯はアメリカの「グースアイランド ビールカンパニー 」から「グースIPA」をご紹介します。
世界的大企業「アンハイザーブッシュインベブ」の傘下に入っているグースアイランド。
強力な販売網のおかげで、私たちの近所の食料品店やコンビニで見かけることが多くなりました。
という方は、ぜひ本記事を参考に購入の検討を!
もくじ
グースIPA 基本スペックとおススメできるひと
※上記写真はリニューアルパッケージ前を購入して撮影
▶:リニューアルしたパッケージ(現行品)
価格帯
☆☆ 300-400円レンジ
入手難易度
☆ スーパーやコンビニでも見かける
アルコール度
6.0%
タイプ
IPA(インディア・ペールエール)
グース IPAの味わい
- ホップのフレッシュな植物の香り+甘酸っぱさ+エステル香
- 純度の高い正統派IPAで透明感がある、すべてが良くまとまっている
- 炭酸の適度な刺激とホップの痛快な苦み、終わりごろに麦汁の甘味
- 終始エステル香を感じさせる
- 全体的に透明感がありつつボリュームがあるので満足感高し
テイスト分布図
参考
<数値について>
▶あっさり:3.0 ☞ややとろみ
▶コク :3.0 ☞やや濃いめ
▶苦み :5.0 ☞非常に苦い
▶酸味 :2.5 ☞適度に主張
▶甘み :3.0 ☞ややこってり甘い
こんな方におすすめ
- IPAの苦味とうま味が好きなひとに
- IPA初心者のかたに
- 手に入りやすくてデイリー消費用を探しているひとに
こんなシチュエーションで
- 仕事終わりのごほうびに
- ハンバーガーを食べながら
- 趣味に没頭する時の相棒に
甘味・酸味・苦味、適度なバランスを持った優等生の【グース IPA】
ゆる~い雰囲気を感じさせるロゴマークながらも、その味わいは超本格的なIPA。
男女ともに見た目・味わいの両方で虜(とりこ)にさせる超人気ブルワリー「グース アイランド ビールカンパニー」の「グースIPA」。
満を持してのご紹介となりました!
という声が多いグースIPAですが、今や世界中のブルワリーでこぞって生産される「IPA(インディア・ペールエール)」という超激戦区。
ほとんどのブルワリーがIPAをリリースしていると言っても、過言ではない(?)。
それほどの市民権を得ているIPAですが、とても面白いことに造り手(醸造所)毎に「味わいがまったく違う・・・!」ことも多いです。
これまで紹介してきたIPA
<正統派IPA(バランスが良い)>
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<こってり系IPA(甘さ強め)>
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▶:ブルックリンブルワリーのセッションIPA(派生系:分類その他のニューエイジ)
長くなってしまうのでこのあたりで止めますが、IPAが多くのブルワリーで販売されていることからも、その人気は伝わるはず。
という声に対して管理人としての意見を言えば(あくまで管理人個人の意見ですが)
これまでのビール=ラガー系のイメージを覆す「香り」と「メリハリのある味わい」にあると考えています
IPAを飲んでみて真っ先に感じるのが「ホップの青々とした風味」。
一般的に、苦味と殺菌効果・ビールの泡持ちを良くするなどの効果でホップを使用しています。
ビールを造る過程においてホップは酵母を添加する「発酵工程」の前に”ビールの素”となる麦汁を煮込む段階で添加します。
加熱した麦汁の中にホップを入れることで、加熱されたホップは麦汁に含まれる”タンパク質”と凝固して、麦汁を澄んだ綺麗な液にさせます。
ただ、ホップを入れて煮沸すると「元々ホップに備わっていた”繊細な風味”」が失われてしまうことが。
と言われそうですが、そうすると先ほどの苦味付与や液面に影響がありますし、熱で飛ばしていた”変な香り成分”もビールに移るのです・・・(バランスが難しい)
ビールとしての確かな品質を保ちながら「さらにホップのフレッシュな香り」を残すためのテクニックとして開発されたのが「ドライホッピング」という方法。
ドライホッピングは煮沸して出来上がった麦汁(冷ましてから)を次の工程である「発酵・熟成」段階で添加することで、揮発性の高いフレッシュで繊細なホップの香りを麦汁に移します。
加熱していない麦汁に添加するため、煮沸して飛ばしていた”変な香り成分”やホップに付着する「微生物」が悪さをしてこれまで一生懸命作ったものを台無しにする可能性があります。
製造に関する深い知識と経験が無いと難しい手法ですが、ビール造りの技術進歩とメカニズムの解明でこのドライホッピングによってこれまでのビールでは味わうことが出来なかった「青々としたホップの風味」を存分に味わえることが出来ました。
このドライホッピングで使用されるホップの種類によって「マンゴー」「柑橘類」「パッションフルーツ」「パイナップル」など様々。
嗅ぐだけで「とても心地良い」アロマが味わえることがIPAの大きな魅力でしょう。
飲んでみて、カッとくるほどの苦味があるIPAが多いですが、強烈な苦味の中にホップの生命力を感じさせる風味がIPAにはあります。
「飲んだひとにココロを解きほぐすアロマとメリハリの効いた味わい」を残すIPAだからこそ、ここまで世界中で人気になったのだと考える次第です。
本記事の主題である「グース IPA」に話を戻しますと、このブランドは「誰が飲んでも納得できる」安定したテイスト。
IPAでとても大事な「香り」は、しっかりとフレッシュなホップの香りが楽しめます。
口に含んだ時の味わいも、麦汁のコクと甘み、ホップの痛快な苦味、酸味がアクセントになっていてキレイにまとまっているのが◎。
IPAを初めて飲むことになるひとはもちろん、いろんなブルワリーのIPAを飲みなれた”ベテラン”さんにも満足できるクオリティです。
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アンハイザーブッシュの日本法人:インベブ ジャパンで展開中
アンハイザーブッシュインベブ(略:ABインベブ)は世界で最も規模の大きい酒類製造会社。
世界50か国以上に生産拠点、総従業員数18万人という巨人企業は、ベルギーのルーヴェンという都市に拠点を置いています。
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その世界企業が日本でも自社が抱える数々のブランドを展開するため、2015年に日本法人を置きました。
ABインベブ社が抱えるブランドとしては当サイトでこれまで👇
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代表ブランドの「バドワイザー」や
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超有名なベルギービールブランド「ヒューガルデン」に
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パーティでの御用達ブランド「コロナ エクストラ」など。
ABインベブ社が抱えるブランドはどれも超有名どころなので、みなさんも一度は見たことがあるはず。
グース アイランドのスタート:アメリカの大都市「シカゴ」について
アメリカの大きな都市といえば、ニューヨークやロサンゼルスが多く挙げられますが、シカゴはそれらに次いで「アメリカで3番目に人口の多い都市」として認知されています。
人口は280万人前後で推移しており、日本の人口と比べるとピッタリの数字では無いですが、京都府ぐらいでしょうか。
元々シカゴは先住民である「インディアン」が内陸交易の場として機能していたと伝えられている場所。
1800年代にはアメリカの工業が発達し鉄道の登場や運河整備により人口が増加。
多くの人が集まり、街が発展しアメリカ第3の大都市にまで成長しました。
余談ですが、以前アメリカのブランド「パブスト ブルーリボン」で紹介したウィスコンシン州ミルウォーキーはシカゴの真北。
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【レビュー】アメリカ パブストブルーリボン:味の特徴とこんなひとにオススメ!
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この辺りは麦の一大産地としてドイツ系移民が多く入植してきた土地だけに、ビール醸造所が数多くひしめき合っています。
シカゴの観光名所
■ 有名観光スポット
【ミレニアム・パーク】
▶ シカゴを代表する写真スポットで憩いの場でもある
【ジョン・ハンコック・センター 360シカゴ】
▶ 大都市シカゴの夕景・夜景を見るなら!
【シカゴ科学産業博物館】
▶ 巨大科学&乗物展示物で1日居られる!
■ こちらも忘れちゃいけない!
▶ 【シカゴ美術館】
▶ 【フィールド博物館】
▶ 【リグリーフィールド球場】
などなど・・・
管理人の好みと偏見が多い紹介でしたが、シカゴにはまだまだたくさんの見どころがあるため、数日は滞在したい・・・!
TIPS:アメリカの基本情報
国名:アメリカ合衆国
首都:ワシントン特別行政区
言語:英語
人口:約3億3千万人(2019年)
宗教:キリスト教が主流
日本から直通便:ニューヨークやシカゴなど多数都市と結んでいる
通貨:米ドル(1ドル=平均100円前後)
日本との時差:東西エリアで14-17時間と差がある(日本が12時なら米が深夜10時~)
アメリカのバラク・オバマ元大統領も推す[Goose Island Beer Company]
今ではコンビニでも取り扱いするまでに販路を広げている”ガチョウ”がトレードマークのグースアイランド。
その由来は創業地のシカゴにある「人工島 グース島」から付けられています。
グースアイランドが世界中に知られている話題として、2010年6月にG20首脳会議のためカナダのトロントに訪れたバラクオバマ(元)大統領とイギリスのデーヴィッド・キャメロン(元)首相の一コマでしょう。
当時、両名は同年のWorld Cup(南アフリカ大会)でイングランドVSアメリカ戦の勝敗を賭けていたと言われています。
もちろん、お金を担保にしてはおらず、お互いの地元のビールを賭けるというルールにしていたそう。
気になる勝敗は引き分け・・・!
ということで、お互いのビールを交換し合うことに。
オバマ大統領の地元はシカゴということから、彼が取り出してきたのがグースアイランドの「312アーバンウィートエール」。
キャメロン首相はオックスフォードシャー州ウィットニーにあるウィッチウッド醸造所の「ホブゴブリン」を取り出してきました。
この出来事はグースアイランドに因んだエピソードとしてビールファンの間では非常に有名です。
そんなオバマ大統領に推されているほどのグースアイランド、その歴史を築き上げた人物を解説していきましょう。
創業者の「ジョンホール氏 John Hall 」
参照画像:Business Insider より
『ロンドンのフラーズ社のように、シカゴを代表するビールメーカーになりたい』
(出典:Brewersjournal)
そう語っていたと言われているのが創業者のジョン・ホール氏。
醸造所 Fulton Street
彼は1988年にかねてからの願いであったシカゴでビールメーカーを立ち上げました。
グースブランドを生産しているのがアメリカに拠点を置く会社「Goose Island Beer Company」が誕生したきっかけは、創業者ジョン・ホール氏がヨーロッパを旅したときに味わったビールの数々から着想を得ています。
どのような旅だったのかまで追えませんでしたが、彼がヨーロッパで様々なテイストのビールからインスピレーションを受け『故郷のシカゴでも』という考えに至ったと言われています。
1988年に開業したグースアイランドは、当時のシカゴで99番目にブルワリーとして登録され、およそ7年で現在のFulton street醸造所を操業させるまでに成長しました。
1992年にはジョン氏の息子で醸造責任者でもあるグレッグ氏の主導でバーボン樽を再利用、ビールを樽に仕込んだ「バーボンカウンティスタウト」を始動(2005年にようやくリリース)
4年後の1999年にはブリューパブ「Clybourn Avenue Brewpub」のオープンとシカゴで美味しいクラフトビールと言えば「グースアイランド」と言われる声が強まってきました。
2011年グースアイランドは世界規模No1の酒類メーカー「ABインベブ社」に3880万ドルで買収され、傘下となります。
なぜ買収されたのか?
理由について詳細な記述を見つけることが出来ませんでしたが、米国のネット記事にはABインベブ社のビール事業の主力(バドワイザーなど)「ピルスナー」で、買収時の2010年代はこうした”工業生産”のビール市場の売上が下がり続けている背景があると言われています。
ここからはあくまで管理人の推測ですが、日本のビール市場のように大衆ビールを飲むひとの減少、多くのお酒を選ぶ選択が出来るようになったこと(価値観の多様化)を打破するために、ABインベブ社は魅力のあるクラフトビールブランドの補充が必要だったのでは?と推察します。
かくしてホール家によって創業されたグースアイランドはABインベブ社の傘下に入ってから世界ブランドとして販路を拡大。
現在では、世界5か国(下記参照)に工場を持つほどの世界展開をするようになりました。
まとめると
<創業者>
・ジョン・ホール氏(元パッケージングサービス勤務)
※補足 グレッグ・ホール氏(ジョン氏の息子、醸造責任者で2011年に辞任)
<創業年>
・きっかけ ジョン氏がヨーロッパ周遊で多様なビールスタイルに感動
・1988年 「Goose Island Beer Company」誕生(Wrigleyville、2015年廃業)
・1992年 グレッグ氏がバーボン樽を利用した「バーボンカウンティブランド」に着手
・1995年 醸造所「Fulton Street」操業(現行の醸造所)
・1999年 ブリューパブ「Clybourn Avenue Brewpub」開業
・2011年 ABインベブ社の買収とグレッグ氏の脱退
▶ 現在 =定番ブランドはABインベブ社によるアウトソーシング
プレミアムブランドのみFultonで生産
▶小ネタ Fulton以外にも5か国にそれぞれ醸造所を開業👇
・中国 上海
・韓国 ソウル
・ブラジル サンパウロ
・カナダ トロント
IPAを筆頭にグースアイランドは多種多様な品揃え!
海外のビールブランドを扱っていると、こう思います。
”編集後記”風につぶやくと、そう思わざるにを得ない気持ちにさせられます。
グース アイランドも「そんな気持ち」にしてくれるほど、本国では多種多様なブランドを展開しています👇
ラインナップ
<通年販売品>
■ Lemonade DHANDY (4.2%)
■ 312 URBAN WHEAT ALE (4.2%)
■ LOST PALATE HAZY IPA (6.3%)
■ GREEN LINE (5.4%)
などなど・・・(一部割愛)
<季節限定>
■ GUAVA SQUAD (6.0%)
■ SUMMER TIME (5.0%)
■ OKTOBER FEST (5.7%)
などなど・・・(一部割愛)
日本では「312 アーバンウィートエール」や「ミッドウエイ セッションIPA」なども輸入されているので、ここはブッシュインベブ社の販売活動を期待したいところです。
ちなみにですが、本国HP(上記URLから)にはこれまでグースが販売してきたラインナップについて覗くことができます・・・!
2022年4月現在の掲載数は60以上にも及びます(ホーム画面から【BERRS】→【ARCHIVED】をクリック)
グース IPAのレビュー まとめ
こんな方におすすめ
- IPAの苦味とうま味が好きなひとに
- IPA初心者のかたに
- 手に入りやすくてデイリー消費用を探しているひとに
こんなシチュエーションで
- 仕事終わりのごほうびに
- ハンバーガーを食べながら
- 趣味に没頭する時の相棒に
ガチョウという可愛いパッケージに反して模範的でどんな方にも納得するバランスを持った「グース IPA」。
たまには定番のビールから一歩飛び出してアメリカの人気クラフトビールを楽しんでみませんか?
至福の時間をぜひ。