このビールはこんな感じ!
- 日本酒・黒糖・ねっとりした強烈な苦みを持つ中華ブランドのIPA
- IPAの新しい概念が出来るかもしれない。
- 「正統派のIPA」を求めているひとにはおススメ出来ない。
- 青島ブランドのなかで超個性的な1本
你好!(ニーハオ)
本日の一杯は中国の超有名な青島ビールから「IPA」をご紹介します。
世界100カ国以上に発送されているグローバルビールブランド。
新たなスタイルとして世界中で人気の「IPA」スタイルをリリースしています。
もくじ
青島(チンタオ)IPA 基本スペックとおススメできる人
価格帯
☆☆ 300-400円ゾーン
入手難易度
☆☆ 海外ビールに強い量販店で入手可能
アルコール度
6.2%
タイプ
IPA(インディア・ペール・エール)
青島IPAの味わい
- イギリスのブラウンエールに似た上品で芳しい麦汁とホップの香り
- こってりした黒糖の風味を強く感じる
- 通常のIPAとは違い、地面を這うドローっとした余韻のある苦み
- 日本酒の妖艶なテイストを感じさせる
テイスト分布図
参考
数値について
▶あっさり:2.0 ☞ややとろみのある
▶コク :3.5 ☞深いコクと奥行き
▶苦み :5.0 ☞非常に強い苦み
▶酸味 :2.5 ☞適度に酸味
▶甘み :2.5 ☞黒糖のような甘み
こんな方におすすめ
- 個性的なIPAを飲んでみたいひと
- 青島ブランドのファン
こんなシチュエーションで
- 中華料理(醤油ベース)といっしょに楽しむ
- 中国のエンタメを楽しみながら
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IPAと思って飲むと超個性的な味わいに呑まれること必須な【青島IPA】
IPAと言えばイギリスで発祥した「ホップの痛快な苦みと高いアルコール感のある」スタイルを連想させることでしょう。
当サイトでは以前アメリカ・ニューヨークから超人気の「ブルックリンブルワリー」のIPAをご紹介したことがありますが
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【レビュー】アメリカ ブルックリン ディフェンダーIPA:味の特徴とこんなひとにオススメ!
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IPAの魅力である「ホップを全面的に味わう」あの特徴は一度ハマったら病みつきになります。
ですが、今回の青島(チンタオ)IPAはそんな「ホップの爽やかさ=IPA」という価値観を粉砕する個性を持っていると痛感しました。
グラスに注いでみると「イギリスのエール」を連想させる麦とホップの芳しい香りを感じさせてくれます。
そんな期待感と共にグイっと飲んでみて最初にやってきたのは「こってり煮詰めた黒糖の甘みと負けないぐらいの酸味」。
どことなく日本酒のような口当たりまで感じる次第。
後半から飲み終わりにかけてコールタールのようにねっとりした苦みが舌に張り付いて長い間苦い感覚が続きます。
IPAと言って良いのか・・・???
それぐらいに「想定していなかったテイスト」が口の中で暴れまわっている。
そんな印象を受けました。
管理人のボトルが劣化か何かで本来のテイストとは違っていたのか?
検証するにも手元に無いので今後再購入した時に確認したいところです。
総じて「アメリカのCoolで爽やかなIPA」を求めているひとには全くおススメできません。
ただ上記のような「超個性的な味わい」のため、見聞のために一度飲んでみたいかも!というひとは、ぜひお試しください。
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アジア系ブランドを幅広く取り扱っている輸入商社【池光エンタープライズ】
裏面を見ると輸入元は「池光エンタープライズ」という輸入商社。
いったいどんな会社なのでしょうか?
という疑問を胸に輸入販売している池光エンタープライズについて調べてみました👇
池光エンタープライズってこんな商社!
▶ 1980年創業の酒類輸入販売業者
▶ 1985年にタイのシンハー日本総代理店として販売活動
▶ 2008年に東証一部の総合商社カメイ100%子会社に
タイのシンハーは以前本サイトでもご紹介したことのある超有名ビールブランド👇
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【レビュー】タイ シンハー:味の特徴とこんなひとにオススメ!
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親元であるカメイ株式会社は1903年(明治36年!)に創業した超大手商社です。
創業者亀井文平氏が宮城・塩釜で創業し、石油・LPガスなどのエネルギー商材を中心に産業部材・食品など幅広い商品を扱っています。
池光エンタープライズは2008年、カメイの傘下に入りましたが、その後も中国の青島ビール日本総代理店契約を締結するといった海外のお酒の輸入拡販に努めています。
池光エンタープライズの取り扱いビールブランド
▶ 台湾:台湾ビール金牌
▶ 中国:青島ビールブランド5種類
▶ タイ:シンハー・チャーン・リオ他
▶ ベトナム:333・サイゴンブランド2種類
▶ インドネシア:ビンタン
詳しくは公式HPで!👇
青島ビール発祥の地は上海から北へ750kmの港湾都市 青島
青島と日本は直行便が運航しており、片道およそ3時間程度で訪れることができます。
青島は大都市上海から730㎞北上したところにある人口1,000万人弱の港湾都市。
日清戦争後の中国とドイツの間で政治的やり取りの末、租借地(一定期間他国に土地を貸し出すこと)として青島は西洋的発展を遂げました。
そのため、ドイツの租借地時代を今に残す町並みが人気の観光名所になっています。
青島の観光名所
■ 観光スポットには
【五四広場】
【天主教堂】
【八大関景区】
■ 絶景を観るなら
【桟橋/回瀾閣】
【嶗山】
■ グルメ巡り
【青島ビール工場】
【青島市ビール通り】
ビアマニアであればこそ青島ビール工場の見学はマストですが、それ以外にもまち歩きで青島の歴史を感じてもらいたいところです。
TIPS:中国の基本情報
国名:中華人民共和国
首都:北京
言語:中国語(方言が多数)
人口:約14億人(2019年)
宗教:儒教・道教・仏教他多数
日本から直通便:北京・上海・青島 他 数都市
通貨:元(1元=平均15円前後)
日本との時差:1時間ほど遅い(例:日本 10:00 中 9:00)
1903年創業の青島ビールが歩んできた歴史について【青島啤酒】
青島ビールにの歴史を語るうえで、そも青島が歩んできた足跡に触れないといけません。
青島は19世紀末まで大きい発展もない地方町に過ぎませんでしたが、国防上の観点から軍事施設が置かれるようになりました。
参照画像:Wikipediaより
青島の歴史で大きく影響を受けたのは1894年に勃発した「日清戦争」
日本から多額の賠償金と台湾、澎湖諸島、遼東半島を渡すことで戦争が終結するところを
仏・独・露が介入・恩を売る形で遼東半島を中国(清)に返還するよう取り計らいました(いわゆる三国干渉)
その時の恩と1897年に山東で発生したドイツ人宣教師殺人事件(曹州教案)を口実にしてドイツは膠州湾(青島周辺の湾)に上陸
実効支配したドイツと清の間で交渉が行われ独清条約の下、ドイツは目論見通り膠州湾を99年間租借地として扱うことに成功します。
ドイツの租借地として開発された青島で誕生した青島ビール
対東戦略の前線基地として念願の膠州湾を手に入れたドイツはここを植民地の手本とするよう大開発を進めます。
青島の街並みは、ヨーロッパらしい建築物が建てられるようになり急速に整備されていきました。
ドイツは租借地での経済振興策の一環として、1903年に本場のドイツ式ビール工場を建てることに。
これが現在の青島ビールの原点となるGermania-Brauerei(ゲルマニア醸造所 青島)のはじまりです。
在住ドイツ人と清のマーケットに対して販売していたのですが、1914年から開戦されたWWⅠにより状況は一変。
接収を免れるための措置としてゲルマニア醸造所青島はイギリスの資本協力を仰ぎ
香港を拠点とする英独合資会社である「Anglo-German Brewery Co. Ltd.」という形に社名変更することに。
結果的にWWⅠで青島を占領することができた日本は1916年に醸造所を買収
参照画像:サッポロビールHPより
WWⅡ終戦の1945年まで大日本麦酒(かつて存在したアサヒ・エビス・サッポロの合同会社)の海外生産拠点として稼働し続けていきました。
WWⅡ終戦後から1990年初頭に至るまでは中国の国有企業として運用されたあと
現在の青島ビール株式会社として中国ビール市場の2割を占める大企業として経営し続けています。
もし青島ビール工場に行くことがあれば、ぜひ工場見学にお立ち寄りください。
ここでしかか味わえないのが出来立ての青島ビール。
特に出来てから一気に鮮度が落ちる無濾過タイプの青島ビール【原浆】が試飲可能です。
ぜひ、青島観光を組みこんではいかがでしょう?
現在日本で流通しているのは全部で5種類
青島ビールのロゴになっているのは、青島桟橋にある八角二層の建物【回瀾閣】がモチーフ👇
海とのコントラストは映える光景です。
量販店で比較的簡単に見つけられるのはレギュラー品ぐらいですが、青島ビールはその他にもこんなにラインナップが👇
上記ラインナップの中で「スタウト」はパワフルで濃厚な黒ビール。
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【レビュー】青島(チンタオ) スタウト:味の特徴とこんなひとにおススメ!
続きを見る
青島(チンタオ)IPAのレビュー まとめ
こんな方におすすめ
- 個性的なIPAを飲んでみたいひと
- 青島ブランドのファン
こんなシチュエーションで
- 中華料理(醤油ベース)といっしょに楽しむ
- 中国のエンタメを楽しみながら
IPAの概念を覆すほどの個性を持った中華ブランドの「青島IPA」
たまには定番のビールから一歩飛び出して中国のビールを楽しんでみませんか?
至福の時間をぜひ。