このビールはこんな感じ!
- 爽快感とコクのバランスに長けたミラー社のプレミアムライトビール
- 「超ライトテイスト」のビールが好きなひとにおススメ
- 「コク・旨味」を重視するひとはNG
- ミルウォーキーを拠点とした超大手ビールメーカー
Hello!(ハロー!)
本日の一杯はアメリカの大手ビール会社「ミラー」がリリースしている「ジェニュインドラフト」をご紹介します。
バドワイザーやクアーズと並んで、ミラーは日本のキリン・アサヒのような大衆ブランド。
現在はモルソン・クアーズの傘下となっていますが、19世紀から続く超老舗メーカーでもあります。
もくじ
ミラー ジェニュインドラフト 基本スペックとおススメできるひと
価格帯
☆☆ 300円レベル
入手難易度
☆☆ 海外ビールに強いリカーショップで
アルコール度
4.5%
タイプ
アメリカンラガー
ジェニュインドラフトの味わい
- 炭酸が適度でじつに心地よい
- 苦味は感じづらく、かすかに麦汁の甘みが感じ取れる
- アフターフィニッシュにかすかな麦の穀物感
- America!を表すかのようなカラッとした飲みやすさ
テイスト分布図
参考
数値について
▶あっさり:4.0 ☞かなりさっぱり
▶コク :1.5 ☞控えめ
▶苦み :1.0 ☞感じない
▶酸味 :1.0 ☞感じない
▶甘み :1.5 ☞かすかに
こんな方におすすめ
- アメリカンラガー特有の超ライトテイストが好きなひと
- 水のように何本もぐびぐび飲めるビールを探しているひと
- 最近のコクや香りの強いビールが苦手なひと
こんなシチュエーションで
- 炎天下で作業中に
- のどが渇いたときに
- 仕事終わりの一杯に
アメリカの超老舗ブランドが繰り出すプレミアムビール【ジェニュイン ドラフト】
アメリカのビールといえば「すっきり」「軽口」「コクはかなり控えめ~無し」をイメージさせるところ。
-
【レビュー】アメリカ バドワイザー:味の特徴とこんなひとにオススメ!
続きを見る
これまで当サイトでは世界No1ビールの「バドワイザー」
-
【レビュー】アメリカ パブストブルーリボン:味の特徴とこんなひとにオススメ!
続きを見る
アメリカ市民に圧倒的支持を持つ「パブスト ブルーリボン」を紹介してきました。
どれも非常に飲みやすくて、のど越しを重視するひとにはおススメのブランド。
というひともいるのは事実。
今でこそアメリカはクラフトビールの一大聖地と言われるぐらいに様々なスタイルのビールが味わえますが、従来から「バドワイザー」「クアーズ」「パブスト」のような日本でいうアサヒ・キリンに値する大企業がリリースするブランドはどれもライトテイストである「アメリカンラガー」に絞られています。
どこの国でもそうですが、よく売れる=支持されているという証明であるため(理由が値段が安いにしろ、酔えるからにしろ)大企業は似た傾向の商品を造りやすいのかもしれません。
アメリカのビール市場で100年以上前から国民ののどを潤し続けてきた「ミラー社」が1985年にリリースしたプレミアムビール「ジェニュインドラフト」。
シャンパンゴールドと形容できるような輝く黄金色の液面と黒を基調としたラベルがラグジュアリー感を醸しています。
くいっと口に含んでみれば、心踊る炭酸の刺激!
ビール自体の味わい・コクは無いわけではありませんが、しっかり味わってみて感じる程度のかすかな風味に留まっています。
ゴクゴク飲める仕上がりながら、飲み終わりにふっと麦の風味が感じられるので「ビール」を飲んでいることを自覚させられます。
とはいえ、日本の大衆ビールと比べれば「味の薄い」ビールという印象を持たれることでしょう。
アメリカンラガーというスタイルをあらかじめ理解したうえで、楽しく飲んでみる。
そういう工夫が必要になるビールです。
普段のお供はもちろん、友達と過ごすときやイベントなどで提供するにも◎なぐらい、シチュエーションを選ばない気軽さがあります。
ちなみに、王冠は手でひねって開けられるタイプになっているので、栓抜き要らず!
※そもそもビールの種類や原材料についてよく分からない!というひとにおススメの記事
-
【ビールの知識シリーズ①】ビールの種類は2つ覚えればOK!わかりやすく解説します!
続きを見る
-
【ビールの知識シリーズ②】原料・副原料のことを知ってビールをもっと楽しもう!
続きを見る
輸入元であるモルソン・クアーズの正体は巨大ビール連合!
どこかで「モルソン・クアーズ」について名前を聴いたことがあるひとが居るかもしれません。
現在は日本国内に流通していませんが、かつては飲むことが出来たブランドの1つ。
同じようにイングランドの「バスペールエール」やフランスの「クローネンブルグブラン1664」なども流通が終わりました。
本国のアメリカでは今も現役のブランドとして販売しているモルソン・クアーズですが、元々はお互いに1つの醸造所として独立していました。
モルソン・クアーズの沿革はかなり長い解説になってしまうので別の機会に取っておきますが、本記事では簡単にお話します。
まとめると
<大元の会社>
「モルソン社」「クアーズ社」「ミラー社」の合体
・フレデリック・エドワード・ジョン・ミラー氏
→1855年 アメリカのミルウォーキーでミラー社を創業
・ジョン・モルソン氏
→1786年 カナダのモントリオールでモルソン社を創業
・アドルフ・クアーズ氏
→1873年 アメリカのゴールデンでクアーズ社を創業
<創業年>
SABミラー社
▶ 2002年 SABに買収、ミラーからSABミラーへ
▶ 2008年 SABミラーとモルソン・クアーズがミラー・クアーズ設立
→ミラーのブランドはこちらへ引き継がれる
▶ 2016年 アンハイザー・ブッシュ・インベブがSABミラー買収
→SABミラー消滅
モルソン・クアーズ社
▶ 2005年 モルソン社・クアーズ社が対等の条件で合併
→モルソン・クアーズ社の誕生
▶ 2011年 インドのcobraブランドを買収
▶ 2012年 チェコのスタロプラメンを買収
世界各国のブランドを次々に吸収し続けている
-
【レビュー】オランダ グロールシュプレミアム:味の特徴とこんなひとにおススメ!
続きを見る
アサヒビールが買収したブランドとして、当サイトでは「グロールシュ」
-
【レビュー】チェコ ピルスナーウルケル:味の特徴とこんなひとにオススメ!
続きを見る
「ピルスナーウルケル」をレビューしたことがあります。
モルソン・クアーズ社は世界のビール企業の中で毎年TOP5に入る巨大連合体。
(ちなみにNo1はアンハイザー・ブッシュ・インベブ)
日本では100年以上前からアサヒ・キリン・サッポロなどの超大手企業がブラン価値を訴求して市場を押さえているため、こうした海外大手ビールが市場に食い込んでくるには難しいのかもしれません。
管理人的にはアメリカンラガーブランドがたくさん(かつ、お値段も手ごろで・・笑)小売店で並んでくれると嬉しいものです。
パブストの故郷:アメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキーへ
パブストが誕生した都市は「ミルウォーキー」ですが、この都市の名を聴いたとき、あなたは「なにを思い浮かべる」でしょうか。
恥ずかしながら管理人はパブストを調べる前まで「ミルウォーキー」がどんな都市なのかまったく知りませんでした(汗
しかし、調べてみると非常に興味深い都市なんですね。
ポイント
その① 世界で有数のビール生産地!
その② 2輪車で超有名ブランドの「ハーレーダビッドソン」が構える!
その③ 童謡「あらいぐまラスカル」の舞台!
ミルウォーキーを抱えたウィスコンシン州は19世紀後半には小麦の一大生産地として国内外へ供給しているため、おのずとビール造りも盛んに。
ウィスコンシン州での最大の都市「ミルウォーキー」はシカゴから電車で1時間ちょっとの距離にあるため、観光するにも◎
日本からだとユナイテッド航空やANAなど直行便があるので、状況が落ち着いたらぜひ!
そんなミルウォーキーを訪れるときは、ぜひ巡ってみたいところがコチラ👇
ミルウォーキーの観光名所
■ 観光スポットには
【ハーレー ダビッドソン ミュージアム】
【ミルウォーキー美術館】
【リバーウォーク】
■ グルメ巡り
【パブリック マーケット】
【クラフトビール巡り】
【ドイツ料理】 などなど・・・
ミルウォーキー観光で絶対に訪れたいのが、後述するパブスト醸造所とミラー醸造所の見学。
ミラーはパブストと同じくアメリカ国内で超メジャーブランド。
本拠地であるミラー醸造所もアクセスがしやすいので、ビールファンはぜひ訪れてみてください!
TIPS:アメリカの基本情報
国名:アメリカ合衆国
首都:ワシントン特別行政区
言語:英語
人口:約3億3千万人(2019年)
宗教:キリスト教が主流
日本から直通便:ニューヨークやシカゴなど多数都市と結んでいる
通貨:米ドル(1ドル=平均100円前後)
日本との時差:東西エリアで14-17時間と差がある(日本が12時なら米が深夜10時~)
ドイツ系移民が生み出した傑作ライトビール【Miller Brewing Company】
アメリカで100年以上愛される老舗ブランドのミラー社。
ドイツ系移民の創業者「フレデリック・エドワード・ジョン・ミラー」氏は1824年、ドイツのリートリンゲンで父:サデウスと母:マリア・ルイザ・ミラーの間に生まれました。
文献:Wisconsin Historical Societyに残されている記録によると、フレデリックの叔父はフランスでブルワリーを経営しており、フレデリック氏がそこで働きながらビール造りを学んでいったと言われています。
と記載されているのですが、気になるのがモルソン・クアーズの記事によるとフレデリック氏は高校を卒業後、地元の醸造所で見習いを始めて・・・、という内容のため「フランスの叔父」については記載がありません。
ビール技術を働きながら吸収し1人前になったフレデリック氏は、1854年のアメリカ移住まで『the royal Hohenzollern brewery』という故郷:リートリンゲンからそばのジークマリンゲンにあった醸造所をリース契約し、王室醸造家としてビールを醸造していました。
最初の妻ジョセフィンJosephineと息子のジョセフJosephとともに1855年にアメリカ・ミルウォーキーにたどり着いたフレデリック氏。
ミルウォーキーは現在もビールの一大生産地とも言われるほど、麦の栽培に適した土地柄でドイツ系移民によって多くのビール醸造所が出来ました。
そんなミルウォーキーで生活を始めるフレデリック氏は、1855年に現在も建屋が残っている『プランク・ロード醸造所 the Plank Road Brewery』を購入。
プランク・ロード醸造所は1850年に開業したもののわずか1年で廃業となってしまったブルワリーと言われています。
所有者はチャールズ・ベスト氏(Charles Best)という人物で、フレデリック氏は彼からプランク・ロード醸造所を譲り受けています。
プランクロード醸造所で自分のビールを造り始めたフレデリック氏はドイツから移住する際に「独自の酵母」を持ち込んでいました。
彼の酵母で造り上げたビールは評判を呼び、現在も子孫関係にある酵母でブランドが守られ続けています。
ミラーブリューイングの礎を築いてきた創業者フレデリック氏は、1888年に亡くなりますが経営は彼の子供たちに受け継がれていきました。
ちなみに現在残っているブランドで最も古いのは1903年にリリースされた「ミラー ハイライフ」。
ミラー独自の酵母(ミラー酵母)を使用したミラー社のフラッグシップモデルとして誕生したハイライフはその見た目とラグジュアリー感から「ボトルビールのシャンパン」と称されたという記録が残っています。
何度も買収をおこないながら20世紀の禁酒法時代~WW(世界大戦)をくぐり抜けてアメリカ国民にビールを提供し続けてきたミラー社ですが、2002年に転機が訪れます。
それはアフリカのヨハネスブルグで1895年に創業し『南アフリカで最も歴史を持つブルワリー』とされる『南アフリカ醸造所 The South African Breweries Limited(通称:SAB)』への買収。
この合併によりミラー社はSABミラー社という形で新しい歴史を歩みます。
SABミラー社は2005年に合併していたモルソン・クアーズとアメリカ&プエルトリコの事業(ここにミラー社のブランドも含まれる)を統括する新会社「ミラー・クアーズ」社を2008年に設立。
2016年のSABミラー社がベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ社に買収され消滅されますが、ミラー社のブランド自体は先のミラー・クアーズ社に移行されていたので、モルソン・クアーズ社が引き継ぎ今に至ります。
今回のレビューである「ミラー・ジェニュインドラフト」は1985年に登場したブランド。
プレミアムビールの位置づけで造られているのですが、ミラーブランドの飲みやすさと控えめなコクが贅沢な味わいを感じさせる1本。
まとめると
<創業者>
・フレデリック・エドワード・ジョン・ミラー氏
<創業年>
▶ 1855年 アメリカのミルウォーキーで創業
▶ 1888年 フレデリック氏の死去
▶ 1903年 フラッグシップ『ハイライフ』販売
▶ 1975年 『ミラー ライト』販売
▶ 1985年 『ジェニュインドラフト』販売
▶ 2002年 SABに買収され「SABミラー」へ
▶ 2016年 SABミラー吸収合併(消滅)
同年 モルソン・クアーズ社がミラーを引き継ぐ
ミラーのブランドは現在は4種類【Miller Brewing Company】
親会社のモルソン・クアーズとしては提携しているブランドが96社(公式HPに掲載している分だけで)
ただ、ミラー社としては現在生産しているブランドは全部で4つとなります。👇
余談ですが、ミラー ライトではクリスマスシーズンにこんな可愛いグッズを販売しています👇
355ml缶にはめ込むアタッチメントのようですが、クリスマスツリーに飾れる!仕様。
ミラー ジェニュインドラフト まとめ
こんな方におすすめ
- アメリカンラガー特有の超ライトテイストが好きなひと
- 水のように何本もぐびぐび飲めるビールを探しているひと
- 最近のコクや香りの強いビールが苦手なひと
こんなシチュエーションで
- 炎天下で作業中に
- のどが渇いたときに
- 仕事終わりの一杯に
アメリカ内外にも知れ渡っている老舗ブランド「ミラー」の「ジェニュインドラフト」。
たまには定番のビールから一歩飛び出してアメリカの大人気大衆ビールを楽しんでみませんか?
至福の時間をぜひ。