このビールはこんな感じ!
- まったりした甘いコクと口当たり、ホップの香りと苦みをしっかり感じる
- 「日本のビールの原点」を飲んでみたいひとにおススメ
- ふわふわでクリーミーな泡がたまらないチェコの超大手ブランド
Ahoj!(アホイ!)
本日の一杯はビール大国チェコのNo1ブランド「ピルスナーウルケル」をご紹介します。
とろとろの泡が生み出す口当たりは唯一無二の個性!
もくじ
ピルスナーウルケル 基本スペックとおススメできるひと
価格帯
☆ 300円以内
入手難易度
☆☆ 海外ビールに強いショップもしくは後述する各店舗で入手可能
アルコール度
4.4%
タイプ
ボヘミアンピルスナー
ピルスナーウルケルの味わい
- わたあめのような甘さ+清涼剤のような爽やかな香り
- とっても甘いクリーミーな泡と味わいもまったりコクのあるお菓子のような甘み
- 最後にピルスナー特有の苦みが主張する
参考
数値について
▶あっさり:3.0 ☞適度なのどごし
▶濃厚さ :3.0 ☞適度は濃さ
▶苦み :3.5 ☞主張する苦み
▶酸味 :1.5 ☞ほとんど感じない
▶甘み :4.0 ☞菓子のような甘み
こんな方におすすめ
- 苦いビールに抵抗が無いひと
- 甘いテイストが好きなひと
- チェコNo1ビールに興味があるひと
こんなシチュエーションで
- ケースでストックして宅飲みに
- 良いことがあったときに
- 必ずグラスに注いで
チェコNo1にして日本ビール史の原典である偉大なブランド[ピルスナーウルケル]
日本語で「ピルスナーの元祖」と銘打っているように、世界で楽しまれているピルスナー(日本のビールも正確にいえばピルスナー)の元祖として知られるブランド「ピルスナーウルケル」
そもそもビールは酵母の違いでスタイルが細かく分かれています。
■ エール酵母:液温16-24℃前後で発酵、発酵中は液面に浮くことから上面発酵と表される
☞エールビールの出来上がり(スタイル:ヴァイツェン、セゾン、ペールエールなど)
■ ラガー酵母:液温4-10℃前後で発酵、発酵中は液底に沈むことから下面発酵と表される
☞ラガービールの出来上がり(スタイル:ピルスナー、シュバルツ、ボックなど)
■ 野生酵母 :自然界に漂う天然酵母が仕込んだ麦汁桶に入り込むことで出来る
☞ランビックの出来上がり(スタイル:グーズ、ファロ、クリーク)
ビールの歴史上、ラガー酵母を使った爽快なビールタイプは19世紀にチェコ(今回のピルスナーウルケル)で誕生するまで常温発酵で作られ複雑な風味を楽しめる「エール」タイプが主流でした。
ラガービールそのものは15世紀には登場しておりましたが、低温管理と軟水を必要とするためドイツ・バイエルン地方で局地的に作られていたローカルビールの1つにすぎませんでした。
参照画像:公式HP
1842年にピルスナーウルケルから雇われたドイツ人(バイエルン州)醸造家ジョセフ・グロールが作り出したラガービールは「黄金色」「スッキリした味わい」「ホップの苦み」を感じる新しいテイストで世界に衝撃を与えました。
プルゼニュの土地柄、水質が「軟水」であったことが「黄金色」のビールを作りだす条件に嵌まっていたのです。
19世紀後半には、産業技術が向上し「低温管理」と「機械化」による安定した生産が出来るようになってからは、世界中で生産され飲まれるようになっていきました。
今日私たちが飲んでいる日本のビールブランドの原典ともいえるチェコビールブランドのピルスナーウルケル。
このビールは少々特殊で「かならず」グラスやジョッキに注いで飲むことを推奨します。
それは、ピルスナーウルケルの魅力であるビールの泡と「黄金色」を楽しめるから。
グラスに注いでみると泡立ちが非常によく、あっという間にこんもりした「ホイップクリーム」状の泡が立ち上ります。
ビールとしての味わいも、甘みが強め。
それでいて、ホップからくる苦みがしっかりしているので、メリハリが良く満足感の高いクオリティになっております。
チェコ現地では、カツレツ(シュニッツェル)をあてに飲んだりすることがありますので、揚げ物といっしょに楽しんでみてはいかがでしょうか?
1杯で胃袋も心も満足するボリュームなので、がっつり飯とは組み合わせない方が良いでしょう・・・(笑)
※チェコのビールブランド「スタロプラメン」「ブドヴァル」もおススメの1本ですよ!👇
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【祝!】アサヒありがとう!2022年4月5日から通年販売!
参照画像:公式Instagramより
実はアサヒビールが2017年にウルケル社を買収し「高級ビール路線」と称して拡販展開を進めています。
2020年12月時では、首都圏の限定になりますが、缶タイプ(330ml)で定期的に販売されていました(19年冬、20年春・冬と半年ごと?)
従来の褐色瓶タイプもリカーショップ・ネット通販で購入できますので、見かける機会はグッと増えています。
そして、2022年4月5日から、パッケージリニューアルして全国通年販売へと踏み切りました・・・!(情報先:PRTimes)
アサヒビールからは定期的にグッズ同梱BOXの販売もあります(上記22年5月の限定グラスセット)
ファンの方(私も)は予約して押さえておきましょう!
東京・日本橋で樽生をサーブする「ブルヴァール トーキョー」へ!【営業再開!】
アサヒビールが高級路線ブランドとして組み込んでいる「ピルスナーウルケル」
管理人ROCKが普段働いている日本橋の職場に1軒ありましたので調査してきました!
お邪魔したのは日本橋の「TOHO日本橋コレド室町」から徒歩1分で行ける好立地のビル2Fにあります。
樽生ウルケルを提供しているBar「ブルヴァール トーキョー」はウルケルで実力を認められた数少ない「ビールサーブ」が出来るお店。
後述するウルケル用の注ぎ方にはとても技術を要します。
ブルヴァール トーキョーでは、本国チェコに劣らない品質管理と提供方法でリピーターの多い人気店です。
カウンターに座って、さっそくウルケルを注文します。
今回のおともは【ウトペネツ】と【グラーシュ】の2品をチョイスしました。
ウトペネツはチェコでよく食べられる冷菜のひとつで、平たく言うと【酢漬けウインナー】を指します。
ちなみにチェコ語で【水死体】という恐ろしいネーミングセンス・・・(笑)
酢漬けされたウインナーは付け合わせの酢漬けキャベツといっしょに食べればとてもさっぱり。
ウルケルの風味を邪魔しないので、個人的に気に入っている料理です。
グラーシュというとハンガリーの赤パプリカスープになりますが、チェコでもグラーシュも見かけます。
ブルヴァール トーキョーのグラーシュは牛肉の量が多くスープよりも煮込みタイプ。
柔らかく煮込まれた牛肉のほろほろ加減に舌鼓を打ちつつ、ウルケルを流し込む時間は贅沢ですね・・・(笑)
やはりピルスナーウルケルの樽生は別格です!【写真上ハラディンカ 下シュニット】
余談ですが、ピルスナーウルケルを頼む際、以下3つの飲み方から選ぶ必要があります👇
ビールと泡の量でえらぶ3つのスタイル
- ハラディンカ【HLADINKA】ビールと泡が7:3比率で一番オススメ
- シュニット【Šnyt】ビールと泡が1:1になるように調整
- ミルコ【Mlíko】泡の比率がほぼすべてを占める
管理人ROCKオススメは、1杯目をハラディンカでつまみを食べ進めて〆にミルコの流れですね。
まだ樽生を飲んだことの無いひとは機会があればぜひ訪れてみては??
<Information>
BULVÁR TOKYO(ブルヴァール トーキョー)
住所
▶〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1-12-6 日本橋ムロホンビル4 2F・3F
交通アクセス
▶東京メトロ「三越前駅」A4出口より徒歩1分
営業時間
▶月曜日~金曜日 11:30-14:30 17:30-23:30
▶土曜日 16:00-23:00
休業日
▶日曜日・祝日
平均予算
▶ひとり3,000円~
※本サイトへの掲載許可を頂いたうえで公開しております。
ピルスナーウルケルの故郷:チェコ共和国のプルゼニュへ!
プルゼニュはチェコの中で4番目に大きい都市として知られています。
世界史上、とても歴史深い都市で有名なのは15世紀に宗教家「ヤン・フス」が起こした宗教戦争(フス戦争)のカトリック側の牙城として舞台となったりしています。
プルゼニュの街並みは、17世紀に建造されたバロック様式建築物が多く、1989年に歴史保護区として大切に管理されています。
また文化都市・ビジネスシティとしての顔を持っており、かつてのチェコ最大の財閥「シュコダ」を筆頭に大手企業の中欧拠点として発展しているプルゼニュ。
ここでは、プルゼニュでオススメする観光スポットを挙げていきます👇
プルゼニュの観光名所
■ まずは抑えておきたい
【ビール醸造博物館】【聖バルトロミェイ大聖堂】【地下道博物館】
■ 歴史を学ぶ
【プルゼニュ人形劇博物館】【西ボヘミア博物館】
■ ちょっと遠出して
【プラハ=スタロプラメン醸造所】【チェスケー・ブジェヨヴィツェ=ブドバー醸造所】
プルゼニュに来る目的は後述するウルケル醸造所の見学にあるかと思いますが
ビール醸造博物館や聖バルトロミェイ大聖堂など周辺のスポットも抑えたいところです。
チェコビールの醸造所を巡る旅ならば、近隣のプラハやチェスケー・ブジェヨヴィツェも要チェック!
※小ネタですが、首都プラハには同市で初めてウルケルを提供したレストランが今も営業しています👇
参照画像:ウ・ピンカスー公式HP
TIPS:チェコの基本情報
国名:チェコ共和国
首都:プラハ
言語:チェコ語
人口:約1070万人(2019年)
宗教:無宗教が多いがバラけている
日本から直通便:無し、ワルシャワなど近隣から経由便で14時間~
通貨:コルナKč(1Kč=平均5円前後)
日本との時差:8時間差(日本が12時なら捷が明け方4時~)
1842年創業のピルスナーウルケル【チェコ語名:プルゼニュスキー プラズドロイ醸造所】
参照画像:公式HP
プルゼニュで1842年に創業したウルケル。
それまでのプルゼニュでは個々の醸造家による味のバラツキがひどかったため、品質改善のためドイツ・バイエルン地方から呼んだ醸造者ジョセフ・グロルによって作り出された「ピルスナー」
ある説によると、偶然から生まれたという話があります。
もともとグロルがピルスナーを作りにプルゼニュまで派遣された訳ではなく、それまで醸造所で作られていたほかのビールを作るつもりで醸造していたところ、いくつかの要因で失敗してしまったということ。
グロルがプルゼニュで仕込んだビールが失敗してしまったのは、プルゼニュの水質が要因でした(麦芽の焙煎機器の誤った使い方も一因としてあるとか)
ビールの味や色に大きく影響する「水質」。
紅茶などのお茶を淹れる際もイギリスと日本だと色味が全然違うというのは聴いたことはないでしょうか?(硬水のイギリスと軟水の日本では淹れた際の色味が異なる)
水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量によって「硬水」「軟水」に分けられるのですが
「硬水」であれば濃い褐色のビール、「軟水」だと明るい黄金色のビールになります。
グロルが失敗して出来上がってしまったビール。
しかし、飲んでみたら「色が良い」だけでなく「味わい」もそれまでのビールとは異なる爽快感とフレッシュさに驚きます。
その美味しさは瞬く間に国中に広がり、1856年には隣国オーストリア・ウィーンでも大評判に(19世紀の終わりには米国・アフリカ・中東へも輸出)
1898年に「ピルスナーウルケル」という商標を登録し、以後ピルスナービールの原典であることを証明する形で今に至ります。
そうして歴史上最初のピルスナーが誕生して178年。
ウルケル社では当時と変わらない製法でずっとピルスナーを醸造しています。
その中で特長的なのは【トリプル・デコクション】と呼ばれる製法を今も忠実に実行しています。
参照画像:よなよな公式HP
ビール造りは原料の大麦を発芽【麦芽】を湯に投下して攪拌していき、麦汁という糖分を含んだ液体を作りますが(これが酵母の餌になり、アルコール発酵の土台になる)
この麦汁を作る際、通常はおおよそ65℃・90分ほど攪拌して終了する工程なのですが、ウルケル社は温度帯を変化させながら3段階に分けて煮込むことで、より濃縮した麦汁を作っています。
通常のビール造りでは省く手間とコストを頑なに守り続けながら当時の味わいを守るウルケル社。
だからこそ、他のピルスナーには無い「格別の」旨さを持っていると思います。
そんなウルケルの製造工程や出来立てのビールを飲みたい!場合は、ぜひプルゼニュに足を運んでみて!
※現在コロナウイルスにより休業していますが、平時では以下のように運営しています👇
ビジターセンター周辺にはPubレストランが併設しているので「飲んで・食べて」を体現できますよ。
<Information>
ビジターセンター
営業時間: 4-9 月 8:00-18:00
10-3月 8:00-17:00
工場見学ツアー 月によって変動(詳細は公式HPから👇)
所要時間 1時間20分程度
費用 1人250CZK(CZK=約5.0円 2020年12月現在)
ピルスナーウルケルは他にも多彩なブランドを多数所有
ちなみに、ピルスナーウルケルのロゴの象徴となっているアーチは1892年に醸造所で建設された「ジュビリーゲート」という名称です。
ウルケルでは日本に入ってきている「ピルスナーウルケル」以外にも数種類のブランドを所有しています。
現在提供しているシリーズを紹介します👇
中欧を巡っていた頃は「コゼル」ブランドがよく並んでいた記憶があります。
日本でもこれらのビールが入ってくれると嬉しいですね!
ピルスナーウルケルのレビュー まとめ
こんな方におすすめ
- 苦いビールに抵抗が無いひと
- 甘いテイストが好きなひと
- チェコNo1ビールに興味があるひと
こんなシチュエーションで
- ケースでストックして宅飲みに
- 良いことがあったときに
- 必ずグラスに注いで
ピルスナービールとしての原典である伝説のビールブランド「ピルスナーウルケル」
チェコNo1ブランドのピルスナービールをぜひ1度楽しんで!