このビールはこんな感じ!
- 力強い麦の風味とホップの苦みを感じる本格派ドイツピルスナー
- レーベンブロイより濃いビールを探しているひとにおススメ
- 「苦みに弱い」ひとは要注意
- ドイツ最古のピルスナーと言われる味わいをぜひ
Guten Tag!(グーテン・ターク!)
本日の一杯はドイツ東部の街ドレスデンで作られているピルスナー「ラーデベルガー」をご紹介します。
ドイツの伝統的ビールブランドのなかで、最古のピルスナーブランドとして知られている当ブランド。
麦の力強い味わいと痛快なホップ、黄金色の液面はまさに正統派ピルスナー。
もくじ
ラーデベルガー 基本スペックとおススメできるひと
価格帯
☆ 200円レンジ(リカーマウンテン)
入手難易度
☆☆ 海外リカーに強い酒屋で入手可能
アルコール度
5.0%
タイプ
ピルスナー
ラーデベルガーの味わい
- 小松菜の茹で汁を思わせる香り、穀物の力強い味わい
- 飲み終わりにじわーっとホップの苦みが強く出てくる
- 炭酸の刺激と苦みで爽快感を味わえる
テイスト分布図
参考
数値について
▶あっさり:4.0 ☞強い爽快感
▶コク :2.5 ☞適度なコク
▶苦み :3.5 ☞強めの苦み
▶酸味 :1.5 ☞控えめ
▶甘み :2.0 ☞やや控えめ
こんな方におすすめ
- 本場ドイツビールを飲みたいひと
- 爽快感とコクのバランスが良いピルスナーを飲みたいひと
- 値段が手ごろなビールを探しているひと
こんなシチュエーションで
- 日常のあらゆるシーンに
- 食事をとりながら
- まとめ買いでストックして
日本のピルスナーより断然苦い!がコクや爽快感も備えた【ラーデベルガー】
ということで今回ご紹介するのがドイツのピルスナービール「ラーデベルガー」。
ポイント
<ここだけ読めばスゴさが分かる!>
Q:ラーデベルガーの何がスゴイの??
①プロイセン宰相ビスマルクが認めた旨さ!
②公室からは「王の飲み物だ!」とお墨付き!
③ドイツで最初のピルスナーブランド!
しかも創業は1872年とドイツのビールブランドでは新興枠に入るというから、短い社史の中でこれだけの実績を得ています。
そんなラーデベルガーですが、グラスに注いでみると不思議!
思わず自分の鼻を疑いましたが、気にせずグビりとひとくち。
一転してその力強い麦の味わいとホップのガツン!とくる苦みに「美味い!」と納得しました。
それもそのはず、ラーデベルガーは苦みを表す国際指数[IBU=International Bitteress Units]において「33」という高い数値。
(※アサヒ・スーパードライでIBU:16と言われています)
という風に「ビールの苦み」に対して強くないひとにはおススメ出来ないブランドです。
「ドイツ」「ガツンと来る苦み」「のど越し爽快」
このあたりの特徴に興味を惹かれるひとには、間違いなくハマるでしょう。
余談ですが、ドイツ最古のピルスナーは「ラーデベルガー」と言われておりますが、世界的に最古のピルスナーなのは「ピルスナーウルケル」と言われています。
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ドイツの隣国チェコで生まれたピルスナーウルケルと比べるとラーデベルガーは「よりスッキリして爽快」なのが感じられます。
どちらも非常に美味しいブランドですので、ぜひ「ドイツ派」「チェコ派」ピルスナーで味比べしてみては??
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ラーデベルガーを作り続けている:ドイツ東部の都市ドレスデンへ
第2次世界大戦終戦直前の1945年2月に発生した連合軍による大爆撃。
当時のドレスデンはドイツでも最高のバロック様式の建物が連なる風光明媚な都市でした。
ドイツ軍は主だった軍事設備をドレスデンに配備しておらず、そのためドレスデンだけは襲われる可能性は無いと考えていたと言われています。
そうした背景のなかで連合国軍がおよそ2週間に及ぶ大爆撃で都市の9割弱は灰燼に。
死者25,000人以上とも言われる大被害に見舞われました。
街のほとんどががれき・骨組みだけになってしまったドレスデンでしたが、人々が長い年月をかけて少しずつ最盛期の風景を取り戻していきます。
当時存在していた建物のいくつかは今も無い状態ではありますが、今のドレスデンでは再建された美しい建物・街並みを楽しむことができます。
ドレスデンの観光名所
■ 観光スポットには
【ドレスデン城】
【フラウエン教会】
【ツヴィンガー宮殿】
■ 歴史を学ぶ
【アルテ・マイスター絵画館】
【オペラハウス・ゼンパーオーパー】
■ グルメ巡り
【アルトマルクト広場周辺】
またドレスデンはチェコ・プラハと片道3時間で行ける距離にあります。
プラハはチェコの首都であり当サイトでご紹介しているブランド「スタロプラメン」ブランドの生産拠点。
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もしドレスデンを訪れる際は日帰り観光でプラハに立ち寄ることも検討してみては?
TIPS:ドイツの基本情報
国名:ドイツ連邦共和国
首都:ベルリン
言語:ドイツ語
人口:約8,300万人(2019年)
宗教:キリスト教(カトリックとプロテスタント半々といわれる)
日本から直通便:フランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフが結んでいる
通貨:ユーロ€(1€=平均120円前後)
日本との時差:8時間差(日本が12時なら独が明け方4時~)
創業者はまさかの5人!?短い歴史ながら王に愛された【ラーデベルガー醸造所】
ドイツ東部の都市ドレスデンからさらに北東。
国鉄「ラーデベルグ Bahnhof - Radeberg」駅から徒歩で10分ほどの距離に醸造所「Radeberger Exportbierbrauerei GmbH」があります。
このラーデベルグ村から全世界に向けて金色のピルスナーが輸出されていくわけです。
今ではドイツ国民が愛するピルスナーブランドとしてTOPクラスの支持を受けているばかりか
時のプロイセン宰相ビスマルクから帝国認定醸造所の名誉まで受けているラーデベルガー。
ですが、意外と社史としては浅く1872年から歴史が始まります。
この時代にまつわるビールとして挙げないといけないのが「ピルスナー」の存在。
ラーデベルグ村は隣国チェコと数十キロしか離れていません。
参照画像:公式HP
そのチェコで世界的発明をしたのが西部の街プルゼニュで操業していた「プルゼニュスキー プラズドロイ醸造所」。
当サイトで紹介、管理人大好きなブランド「ピルスナーウルケル」を生み出した醸造所です。
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プルゼニュスキー プラズドロイ醸造所は1842年にピルスナーという金色に輝きのど越しの良いラガー系ビールを作りだし世界を震撼させました。
正確には「ボヘミアンピルスナー」というビアスタイルとして近隣諸国へとあっという間に広まっていったピルスナーはそれまでのビール=エール系を駆逐する勢い。
当然ドイツでもボヘミアンピルスナーの出現は大いに刺激されました。
そんなビール業界のなかで1872年1月ラーデベルグ村に「とある5人の男たち」が居酒屋に集まります。
彼らは互いにビールを持ち寄って、これまでに無い独自のドイツ式ピルスナーを作ろうと画策しました。
ポイント
<ラーデベルガーの創業者たち>
①グスタフ・フィリップ(Gustav Philipp)
→のちの醸造所の初代所長(裁判官)
②マックス・ランペルト(Max Rumpelt)
→ラーデベルグの市長
※画像無し
③フロレンツ・ジュリアス・シェーン(Florenz Julius Schone)
④カール・ヘルマン・ラッシェ(Carl Hermann Rasche)
→市議会の会計
⑤ハインリッヒ・ミンクヴィッツ(Heinrich Minckwitz)
→弁護士
地元の居酒屋で素人らが集まって「こんなビールがあったら良いな!」と夢物語をアテに酒を飲む・・・。
日本の居酒屋でもありそうなシチュエーションですが、この5人は真面目にビール革命を起こそうとしていました。
それは、彼ら1人1人が持っている資金力・知恵・共通のビジョンなど「持っている武器を」最大限有効に使って、どうすれば最高のドイツ式ピルスナーを作ることが出来るのか、徹底的にすり合わせたと言われています。
その情熱とラーデベルグ村の自然資源(水や気候など)を組み合わせて作り上げたのがラーデベルガーというドイツ式ピルスナー(ジャーマンピルスナー)。
ピルスナーウルケルを元祖とするピルスナー(ボヘミアンピルスナー)の誕生から30年後、ドイツ人の手によるオリジナルのピルスナーが出来上がりました。
その味わいはあっという間に大評判を呼び、時のプロイセン宰相ビスマルクや
ラーデベルグ村周辺を含み管理していたザクセン公国(首都をドレスデンとする)からは「王の飲み物=tafelgetränke für könig」という最高の賛辞をもらいます。
2つの世界大戦をくぐり抜け、戦後の東西ドイツ時代のなかでも誇りあるブランドとして生産を続けてきたラーデベルガー。
現在は「Radeberger Gruppe KG」というグループに属してラーデベルガーを生産し続けています。
工場見学の情報について:21年6月現在は募集中止
残念ながらコロナの状況下である現在では醸造所の見学を中止しています。
ですが、平時は見学可能ですので、いつの日か世界が落ち着いたときに訪れてみましょう。
ラインナップとしてはピルスナーのみ!
残念ながら、ラーデベルガーブランド自体は本製品「ピルスナー」しかありません。
ですが、グループ会社として様々なブランドの取り扱いに関わっています👇
補足
ちらほら日本にも入ってきているブランドが見受けられます。
ラーデベルガーのレビュー まとめ
こんな方におすすめ
- 本場ドイツビールを飲みたいひと
- 爽快感とコクのバランスが良いピルスナーを飲みたいひと
- 値段が控えめなビールを探しているひと
こんなシチュエーションで
- 日常のあらゆるシーンに
- 食事をとりながら
- まとめ買いでストックして
ドイツの本格ピルスナーにして、最古のピルスナーブランド「ラーデベルガー」。
たまには日本の大衆ビールを離れてドイツの伝統的ピルスナービールを味わってみてはいかがでしょうか?
至福の時間をぜひ。