このビールはこんな感じ!
- 柑橘系の酸味とスッキリ感の強いホワイトビール
- 「ホワイトビール」を飲んでみたいひとにおススメ
- 「甘みやコク」を重視するひとには物足りない
- ベルギーの超大手メーカーがリリースする若者向けブランド
Hallo!(ハロー!)
本日の一杯はビール大国ベルギーから初心者でも飲みやすいと評判のホワイトビール「ヴェデット エクストラ ホワイト」をご紹介します。
もくじ
ヴェデット エクストラ ホワイト 基本スペックとおススメできるひと
価格帯
☆☆ 300円レンジ
入手難易度
☆☆ 海外ビールに強い酒屋で入手可能
アルコール度
4.7%
タイプ
ベルジャンホワイト
ヴェデット エクストラ ホワイトの味わい
- 芳醇なオレンジジャム
- 小麦のふくよかさと柑橘系の酸味
- 口当たりがとても優しくスルスル飲める
- ホワイト系の中ではすっきりした飲み口
- 万人に向いたクセのないテイスト
テイスト分布図
参考
数値について
▶あっさり:4.0 ☞かなり強めのあっさり
▶コク :2.0 ☞やや控えめ
▶苦み :1.5 ☞控えめで飲みやすい
▶酸味 :3.5 ☞柑橘系の酸味
▶甘み :1.5 ☞かすかに
こんな方におすすめ
- ホワイトビールを飲んでみたいひと
- 甘くないすっきりしたビールが好きなひと
- ベルギービール初心者
こんなシチュエーションで
- 食事といっしょに
- スイーツといっしょに
- 友達と楽しみながら
甘いオレンジジャムの香りと柑橘系の酸味が飲みやすい【ヴェデット エクストラ ホワイト】
しろくまのアイコンがゆるさと可愛さを醸し出している「ヴェデット エクストラ ホワイト」。
ヴェデットはベルギーのブランドで全部で4種類のスタイルを展開していますが、それぞれにイメージキャラクター(?)となる動物が描かれています。
参考
▶ エクストラ ピルスナー(5.2%)
→アイコンは「ペンギン」
▶ エクストラ オーディナリー IPA(5.5%)
→アイコンは「セイウチ」
▶ エクストラ プラヤ(5.2%)
→アイコンは「フラミンゴ」
理由は残念ながら分からず・・・笑
ヴェデットを見るとベルギービールに詳しい方は「おやっ?」と思うかもしれません。
参照画像:デュベル公式HPより
それは「デュベル」というビールブランドとよく似たビンボトルをしているから。
それもそのはず、ヴェデットはデュベルを生産している醸造元で作られたブランド。
ベルギーで超有名な会社がリリースしているヴェデットですが、その味わいは「初心者にも」スーッと飲むことが出来るクセの無いベルジャンホワイト。
アオ〇タのマーマレードジャムによく似た甘くて心地よい香りと
口に含んだ時に感じるグレープフルーツ系の酸味でスッキリしたテイスト。
同じベルジャンホワイトといえば、かの有名な同国のヒューガルデンが連想しますが
あちらとは違って、透明感とスッキリした口当たりがヴェデットの特徴です。
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【レビュー】ベルギー ヒューガルデン ホワイト:味の特徴とこんなひとにオススメ!
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クセが無くて飲みやすい反面、深みが欲しいひとには物足りないかも。
ただ、多くのひとに受け入れられる可能性を持った優等生ポジションといえます。
※そもそもビールの種類や原材料についてよく分からない!というひとにおススメの記事
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【ビールの知識シリーズ①】ビールの種類は2つ覚えればOK!わかりやすく解説します!
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輸入元の「小西酒造」について【ヴェデット エクストラ ホワイト】
関西圏に住んでいる方は見かけたことも多いはず。
兵庫県伊丹市を発祥とする小西酒造は1550年創業の老舗酒屋。
参照画像:小西酒造HPより
小西酒造は伊丹で薬屋を商っていた「小西新右衞門」という方が始めた事業。
歴史を語り出すととても長くなるので、本サイトでは解説しませんが
洋酒については1987年にフランス産ワインの輸入から始まり、翌1988年にベルギービールの取り扱いを開始しました。
ベルギーの醸造所の間では小西酒造の評判は高く、取引相手に指名されるほど信用度が高いとか。
現在は20以上もの醸造所の製品を取り扱っています。
しかし、2008年にヒューガルデンの販売権がアサヒHDに譲渡される事態に。
ベルギービール事業の大黒柱として成長していたヒューガルデンを失うことになった小西酒造は次の手を考えました。
それが今回ご紹介している「ヴェデット エクストラ ホワイト」。
2008年に販売を開始したヴェデットもベルギービールファンのみならず、初心者の方にも「飲みやすい!」と評判に。
②飲みやすくクセの無い味わいは=ヴェデットになります
参照画像:ベルギービールウィークエンド公式HPより
小西酒造は毎年日本で開催されている「ベルギービールウィークエンド」にも出展されているので
もし開催場所に行けるようであれば、立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
ヴェデットのふるさと:アントワープ地方の小さな村「ブレーンドンク」へ
ヴェデットを醸造している会社「デュベル・モルトガット」と言いますが、所在地はブレーンドンクというエリア。
首都ブリュッセルとアントワープの間にあります。
観光としてはデュベル・モルトガット社の工場見学ともう1つ人気の場所があります。
それが、旧ナチスが戦中に使用していた「ブレーンドンク強制収容所」。
元々要塞として作られたのですが、悲しい使われ方をされてしまった跡地は当時の建造物が状態良く残っています。
悲惨な歴史を今に伝える建築物としてはポーランドの「アウシュヴィッツ」がとても有名ですが
このブレーンドンクもベルギー観光で満足度の高い観光スポットのようです。
<アクセス>
Willebroek駅から徒歩20分ほど
TIPS:ベルギーの基本情報
国名:ベルギー王国
首都:ブリュッセル
言語:オランダ語・フランス語・ドイツ語
人口:約1,150万人(2019年)
宗教:キリスト教(カトリックが7割程度)
日本から直通便:ブリュッセルが結んでいる
通貨:ユーロ€(1€=平均120円前後)
日本との時差:8時間差(日本が12時なら白が明け方4時~)
醸造元はあの「デュベル」を生産している【デュベル・モルトガット】
日本では2008年から小西酒造が輸入販売を開始し始めた「ヴェデット」。
じつは製造元である醸造所で今から70年ほど前にリリースした歴史あるブランド。
この章では、醸造元の歴史を踏まえて解説していきます。
ヴェデットを醸造している会社の名は「デュベル・モルトガット」。
参照画像:デュベル・モルトガット社公式HPより
1871年に創業した当時は「モルトガット醸造所」としてスタートします。
参照画像:デュベル・モルトガット社公式HPより
創業者は醸造家の父を持つ「ヤン・レオナルド・モルトガット Jan-Leonard Moortgat」。
創業時の経営は国内で4000軒もの競合他社がひしめき合っている時代だったため、軌道に乗るまで苦心したといわれています。
参照画像:デュベル・モルトガット社公式HPより
時代は移り変わり、1900年代に入るとヤン・レオナルド夫妻の2人の息子「アルバート Albert」と「ビクトール Victor」が父の事業に参加するように。
やがてWWⅠ(第一次世界大戦)に突入するころ、ベルギーと近い関係になっていたイギリスの文化が流入します。
社の醸造家として勤めていたアルバートは流入してきたイギリスのエールビールに新作ビールのアイディアをひらめきます。
参照画像:デュベル・モルトガット社公式HPより
『イングリッシュエールを見本にするためにイギリスで酵母を手に入れよう!』
そうしてアルバートは新作ビールに必要な酵母サンプルを求めて単身イギリスへ渡り各地の醸造元を訪ねていきます。
参照画像:デュベル・モルトガット社公式HPより
ですが、酵母菌株の入手にとても苦労したと伝えられています。
ことごとく醸造所から猛烈な反発を受けながら、スコットランドの醸造所から分けてもらった酵母菌株を持ち帰ることに成功。
アルバートとビクトールは新作のビールを終戦後の1918年にリリース。
参照画像:デュベル・モルトガット社公式HPより
その名は「ビクトリービール」という終戦を祝う意味が込められたブランドでした。
ビクトリービールは強い香りと味わいで評判になっていくのですが、運命的な瞬間が訪れたのはこのビールのテイスティング会を開いていた時のこと。
テイスティング会に参加していた靴職人の「Van De Wouwer」という人物がとあるセリフを言い放ちます。
『een echteDuvel!』(このビールはマジモンの悪魔やー!)
そのセリフに「ピンっ!」と来たアルバートらは、1923年にビクトリービールを「デュベル Duvel」というブランド名に変更し宣伝しました。
強烈な味と名前を持ち合わせたデュベルは隣国オランダにもセンセーショナルを起こし、海外輸出へと進んでいきます。
いっぽう、今回ご紹介しているヴェデットは元々1945年に海外輸出用ビールブランドとして開発・販売されました。
ヴェデットというブランド名は1965年に正式採用、コンセプトについては2003年から現在のPOPなテイストになったといわれています。
<Information>
工場見学:月~木 13時 16時 19時
金 13時 16時
土 11時 14時
見学時間:2時間ほど
ラインナップは全部で4種類!【ヴェデット シリーズ】
日本で流通しているのは今回ご紹介している「エクストラ ホワイト」ですが、本国ではあと3種類(2021年5月現在)のスタイルを展開しています👇
参照画像:ヴェデット公式HPより
ラインナップ
▶ エクストラ ピルスナー(5.2%)
→アイコンは「ペンギン」
▶ エクストラ オーディナリー IPA(5.5%)
→アイコンは「セイウチ」
▶ エクストラ プラヤ(5.2%)
→アイコンは「フラミンゴ」
参照:公式HP(英語)
どれも可愛らしいアイコンですので、ぜひ公式HPよりチェックしてみて!
ヴェデット エクストラ ホワイトのレビュー まとめ
こんな方におすすめ
- ホワイトビールを飲んでみたいひと
- 甘くないすっきりしたビールが好きなひと
- ベルギービール初心者
こんなシチュエーションで
- 食事といっしょに
- スイーツといっしょに
- 友達と楽しみながら
ブランドコンセプトから遊び心がある「ヴェデット エクストラ ホワイト」。
たまには日本の大衆ビールを離れてベルギーのホワイトビールを味わってみてはいかがでしょうか?
至福の時間をぜひ。