このビールはこんな感じ!
- 養命酒のような濃厚な深みとこってりした甘みの黒ビール
- 「ポーター」など黒ビールが得意なひとにおススメ
- 「玄人向け」ビールのため、買う前に本記事を要チェック
- スウェーデンの港町で醸造されているビンテージブランド
Hej !(ヘイ)
本日の一杯は北欧の国スウェーデンで最も古いブランド「カーネギー ポーター」をご紹介します。
もくじ
カーネギー ポーター 基本スペックとおススメできるひと
価格帯
☆☆ 300〜500円レンジ
入手難易度
☆☆☆ ネット通販で入手可能
アルコール度
5.5%
タイプ
バルティックポーター
カーネギー ポーターの味わい
- 酒粕であり養命酒のような香り
- サラリとした飲みごたえとこってりした甘味、調和する酸味
- エスプレッソを飲んだような濃縮したコクと苦み
テイスト分布図
参考
数値について
▶あっさり:3.0 ☞やや強めのあっさり
▶濃厚さ :3.0 ☞やや濃いめ
▶苦み :2.5 ☞適度
▶酸味 :3.0 ☞熟した酸味
▶甘み :3.5 ☞こってり
こんな方におすすめ
- バーレイワインなど熟成したビールが好きなひと
- コーヒーやスモークなどローストした香りが好きなひと
- スウェーデン製のビールに興味があるひと
こんなシチュエーションで
- じっくりビールと向き合いたいとき
- チョコレートと食べながら
エスプレッソのようなコクがありながら飲みやすい【カーネギー ポーター】
いつかは行ってみたい北欧の国スウェーデンから伝統的なポータースタイルのブランド「カーネギー ポーター」をレビューします。
という方のために解説しますと、イギリス発祥のポーター(黒ビール)の製法を移民が北欧へ持ち込んで醸造したスタイルのことを指します。
イギリスのロンドンで生まれたスタイルであるポーターはコーヒーやココアのようなローストした香りが特徴の上面発酵ビール(エール酵母による)で
参照画像:ヤッホーブルーイングHPより
日本だと長野県のクラフトビールカンパニー「ヤッホーブルーイング」がリリースしている「東京ブラック」が身近なポータービールでしょうか。
カーネギーポーターはそんな深みのあるポータースタイルを踏襲した味わいでありつつ、さらりとして飲みやすいという特徴があります。
参照画像:養命酒HPより
開栓した瞬間は日本の「養命酒」に似た濃い~香りが感じられ、ちょっと抵抗感があったのは本音・・・(笑)
しかしながら濃さと飲みやすさを両立した素晴らしいバランスに驚きます。
というひとが多いかもしれません。
ですが、ふだんコーヒーなどのローストした香りが好きで愛飲しているようなひとであればハマる可能性は大いにあると感じました。
ぜひ見かけることがあれば、試してもらいたい1本です!
※そもそもビールの種類や原材料についてよく分からない!というひとにおススメの記事
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店頭で置いてたらスゴイ!レア度高めのカーネギーポーター
ということでネット通販から取り寄せたカーネギーポーター。
スウェーデン最古の醸造所ということで世界的に知られているとか言われていますが、こと日本ではどこにも置いていない・・・(笑)
管理人は楽天を通して購入しました。
国内・海外の通販サイトではこのカーネギーポーターはビンテージビールとしてビンラベルに瓶詰した年代が印字されているという説明がありますが
公式HP上(現:カールスバーグGr傘下)では一切記載が無いため本サイトでは解説しません。
カーネギーポーターのふるさと:スウェーデン南部の港町ヨーテボリへ
日本から遠く離れたスウェーデン。
首都のストックホルムからさらに約500kmほど離れた南部の港町が今回の舞台であるヨーテボリです。
地図で見ると分かるのですが、位置的にデンマークやノルウェーからも貿易にはちょうど良い立地なため、歴史的にその領土権を争って戦争になっていました。
結果的にスウェーデンのヴァーサ朝国王グスタフ2世アドルフ王が1621年に領土を獲得して町の歴史が始まります。
港町でありスウェーデンにとって外海への貿易玄関口になるヨーテボリは交易によって発展し続けている町。
そんなヨーテボリですが、観光やグルメにはうってつけの町です。
ヨーテボリの観光名所
■ 観光スポットには
【ヨーテボリ美術館】
【リセベリ遊園地】
【ハガ歴史地区】
■ 絶景を観るなら
【ヨーテボリでパドリング】
■ グルメ巡り
【海産物を食べる】
【ご当地のブルワリー巡り】
ストックホルムから結構遠いのですが、後述するビールに興味・関心があるひとなら訪れて欲しいヨーテボリ。
TIPS:スウェーデンの基本情報
国名:スウェーデン王国
首都:ストックホルム
言語:スウェーデン語
人口:約1000万人(2019年)
宗教:プロテスタント
日本から直通便:無し(フィンランド他から経由)
通貨:クローナ(1クローナ=平均12円前後)
日本との時差:8時間ほど遅い(例:日本 10:00 瑞 2:00)
カーネギーポーターと深くかかわる会社【D.Carnegie&Co】
参照画像:Wikipediaより
このカーネギーポーターを語るうえでキーとなるのがカーネギーポーターの創業者「デイビット カーネギーJr DavidCarnegieJr」。
現在のカーネギーポーターを醸造しているのはデンマークの世界企業【カールスバーグ】が管理するスウェーデンの【Carlsberg SverigeAB】であり
2001年にスウェーデンのbeverage事業を収集・統合するために結成されたCarlsberg SverigeABですが、カーネギーポーターがそこに至るまでに多くの歴史を歩いてきました。
時は18世紀のヨーテボリ。
アングロサクソン人によって経営されていたいつくかの海運会社によって、人口12,000人程度の小さな港町でしかなかったヨーテボリは交易により大きくなっていきます。
そのような時代背景のなかで商社「D.Carnegie&Co」を1803年に創業したのがデイビットカーネギー氏(Jrでは無く)。
彼は木材と鉄を取り扱う事業からビジネスを始め、諸外国と交易を続けていくにつれて取り扱い品目を増やしていきました。
参照画像:Wikipediaより
いっぽう、交易で栄えてきたヨーテボリでは1817年に「ローレンツカ ブルワリーLorentska Brewery」というポータービールを醸造する会社が創業します。
もうお気づきかもしれませんが、このローレンツカブルワリーで醸造されていたポーターがのちのカーネギーポーターです。
ポーターはもともとイギリスで生み出された黒ビール。
交易を通してスウェーデン・ヨーテボリまで伝播されてきたのです。
しかしながら、このローレンツカブルワリーは経営不振により事業の売却を余儀なくされることに。
1836年「D.Carnegie&Co」の事業を背負うことになった創業者の甥である「デイビット カーネギーJr」が事業の拡大を狙い破産していた「ローレンツカブルワリー」と砂糖工場の事業を買い取ります。
カーネギーJrの資本で消えることなく続けることになったローレンツカブルワリーのポーターはブランド名を変え「D.Carnegie&Co」のいち事業として新しい歴史を刻むことになります。
19世紀にはスウェーデン国内でトップクラスの人気を誇るまでに成長したD.Carnegie&Coのポーター事業は、のちに同じヨーテボリで創業したビール会社「Pripps」に事業を売却することに。
そして現在は買収したPripps社をCarlsberg SverigeABが吸収して事業を所有しています。
ブランドとしてはポーターのみ(買収先のブランドPrippsについて)
歴史的にポーターのみ取り扱いが無いのですが、今回はちょっと違う視点で。
先ほどの話に出てきたカールスバーグの前にポーター事業を所有していたヨーテボリのビール会社「Pripps」。
Pripps社は1828年に創業しているブルワリーでスウェーデン国内ではかなりの人気と知名度を誇る会社。
現在はPripps社も含めてCarlsberg SverigeABの傘下に入っていますが、以下のブランドを変わらずヨーテボリの地で醸造しています👇
Pripps ラインナップ
■ エクスポート (5.0%)
■ エクストラ ストロング (7.2%)
■ ピュア (4.8%)
※公式HP
ちなみに余談ですが、醸造所のあるヨーテボリは現在ビール事業で大いに沸騰している町。
毎春に開催される地元のブルワリーが集まるGBGビールウィークはぜひ行ってみたいところです。
地元ではカールスバーグとアメリカのブルックリンブルワリーが共同で立ち上げた「New Carnegie Brewery」や
ヨーテボリで最初のブルワリー「Dugges」などビアマニアには訪れるべきスポットが多いヨーテボリ。
カーネギー ポーターのレビュー まとめ
こんな方におすすめ
- バーレイワインなど熟成したビールが好きなひと
- コーヒーやスモークなどローストした香りが好きなひと
- スウェーデン製のビールに興味があるひと
こんなシチュエーションで
- じっくりビールと向き合いたいとき
- チョコレートと食べながら
日本ではとても珍しいビアスタイルにしてスウェーデンで最も古い歴史を持つ「カーネギーポーター」
たまには日本の大衆ビールを離れて北欧スウェーデンの老舗ビールブランドを味わってみてはいかがでしょうか?
至福の時間をぜひ。