このビールはこんな感じ!
・麦汁をしっかり味わうことが出来るプレミアムビール
・コクと甘みが好きな正統派ビールが好きなひとにおススメ
・内容量が一般的なビールブランドより少ないため注意!
・アフリカからやって来た人気ブランド
مَرحَبًا!(マルハバン!)
本日の一杯はチュニジアから大手ビール会社SFBTのプレミアムブランド「セルティア」をご紹介します。
もくじ
セルティア 基本スペックとおススメできるひと
価格帯
☆☆ 300円-500円レンジ
入手難易度
☆☆☆ ネットショップで入手可能
アルコール度
5.0%
タイプ
ピルスナー
セルティアの味わい
- 麦汁をそのまま飲んでいるかのような素直さ
- 全体的に味わいは控えめな傾向で飲みやすい
- 飲み終わりにコーンフレーバーが来る
テイスト分布図
参考
数値について
▶あっさり:3.0 ☞ぐいっと飲める
▶コク :1.5 ☞かなり控えめ
▶苦み :2.5 ☞日本大衆ビール並み
▶酸味 :3.5 ☞強く感じる
▶甘み :1.5 ☞かなり控えめ
こんな方におすすめ
- 麦の味わいが好きなひと
- アメリカンラガーでは物足りないひと
- 珍しい国のビールを飲んでみたいひと
こんなシチュエーションで
- ぐいぐいビールを飲みたい気分に
- 暑い季節に
- 食中のお酒として
謙虚さを感じるチュニジアのプレミアムブランド[セルティア]
と思われそうなぐらいに物珍しいブランドを入手したので、レビューしてきます!
なかなか市販のリカーショップでは扱いが厳しいチュニジア産ビール。
管理人はいつもの楽天市場で見つけて入手しましたが、初めてこのブランドを見た!というひとばかりでは?
地図上イタリアの「真下」に位置するアフリカ諸国の1つがチュニジア。
19世紀末にフランスの植民地を半世紀経験してきた国で、ワインの文化が非常に発達しています。
そのなかで国内ビール市場をほとんど独占しているとも言われているのがセルティアを醸造している会社(SFBTと言います)
日本で言うコカ・コーラのような大飲料会社がリリースしているセルティアは、1951年の販売開始から今に至るまで幅広く愛されています。
スタンダード品に「ステラ」がありセルティアはその高級ビール路線。
ぱっと見あまり感じないかもしれませんが、栓を抜いてグラスに注いだ時に理解できます。
暑い国は水のような味わいのビールが多い中で、セルティアは口に含んだ時「麦汁」の風味がしっかりと感じられる造りをしています。
奥行きがあまり感じられないものの「ビールって麦から作られているんだな」ということが舌で感じ取れるぐらいにまっすぐな味わい。
麦の味わいがあれどコクが控えめなため、スィーっと飲み干せるのが暑くて乾燥した国らしい造りなのでしょう。
ちょっと気になったのが造っている会社のビールが瓶・缶ともに350mlサイズより小さい250タイプ。
管理人は少しだけ「割高感」で気になってしまいました・・・(笑)
とても入手し難いのが欠点ですが、クオリティは確かなものを感じるセルティア。
もしも見かけることがありましたら、試してみる価値があるブランドです。
※そもそもビールの種類や原材料についてよく分からない!というひとにおススメの記事
-
【ビールの知識シリーズ①】ビールの種類は2つ覚えればOK!わかりやすく解説します!
続きを見る
-
【ビールの知識シリーズ②】原料・副原料のことを知ってビールをもっと楽しもう!
続きを見る
地中海の国々の食品を扱う[エム・アンド・ピー株式会社]
セルティアの裏面を見ると輸入元「エムアンドピー株式会社」の字。
エム&ピーってこんな会社!
▶ 1998年創業の輸入卸業者
▶ 会社の代表は「メッセルマニ・アヌワ・ベン・マンスール」氏という方
▶ 地中海国[チュニジア・レバノン・モロッコetc]の食・酒を輸入・販売
そして、調べていくと非常に面白いのがエムアンドピーが取り扱っている「他の商材」。
元々は食品・酒部門よりも前に「UN梱包資材」を輸入販売している会社のようです。
海外へ物を運ぶ物流業界では「危険物[火災や爆発など人体や船・飛行機などの運搬車]」に対して国連が定めた規格の容器に入れて運ばないといけないルールがあります。
危険物専用の容器をUN梱包容器と呼び、大半は輸出者となるメーカー側が用意する資材です。
危険物を入れる容器だけに中身の漏洩や容器の破損を防ぐ機能・材質で設計されているため、安全性・堅牢性が重要な商品になります。
なぜエムアンドピーがその事業をしているのかまでは不明ですが・・・。
取り扱っている商材が「他のビール輸入業者」とかなり違っているエムアンドピー株式会社。
チュニジア滞在の拠点:首都[チュニス]から旅を始めよう!
日本からおよそ1万と500㎞。
第三国を経由して17時間ほどかけるとチュニジアの玄関口「チュニス」に到着します。
チュニスはエジプトのカイロ・モロッコのカサブランカに次いでアフリカで発展した大都市。
古くは世界史の教科書で出てくる「古代フェニキア人の国家:カルタゴ」で栄えた町でした。
19世紀末にフランスの植民地時代を経験し、その時整備された新市街とイスラム文化で形成された旧市街に分かれています。
旧市街は1979年に世界遺産として登録されている貴重な街並み。
あてもなく散歩するだけでも楽しいものですが「ある程度」観光スポットを抑えておきましょう!
チュニスの観光名所
■ ぜひ立ち寄りたい
【メディア(旧市街)】
【フランス門】
【ジトゥナ・モスク】
■ 歴史を学ぶ
【バルド国立博物館】
個人的に「写真映え!」するスポットとして「シディ・ブ・サイド」を挙げます。
シディ・ブ・サイドはチュニスから車で向かわないといけない距離にありますが、地中海リゾートを思わせる美しいエリア。
青と白の建物はカッと晴れ渡った空のコントラストは絶景の一言。
TIPS:チュニジアの基本情報
国名:チュニジア共和国
首都:チュニス
言語:アラビア語
人口:約1,170万人(2019年)
宗教:イスラム教(スンニ派)
日本から直通便:アジア・中東から経由して17時間程度
通貨:チュニジアン・ディナール=1TND=平均38円前後
日本との時差:8時間ほど遅い(日本が昼12時なら、前日の朝4時)
1889年に国営企業からスタートしたと言われている【SFBT】醸造所
セルティアの歴史が全くと言って良いほど無いため、情報を集めるのが大変でした。
必死に探していく中で分かったこともありましたので、簡易的ですがお話していこうと思います。
まずセルティアを製造している会社名ですが[SFBT]と言います。(ラベル表面の下部にロゴ👆)
恐らく頭文字を取って「略称」で語られているかと存じますが、フランス語で記載されており「チュニジア飲料会社」という意味になるそうです。
その答えはチュニジアが19世紀末~20世紀半ばまでフランスの植民地時代(保護領とも)を経験したことが影響しています。
19世紀、西欧列強国が地中海諸国(他にアルジェリアやモロッコなど)を次々植民地化して勢力を伸ばす時代がありましたが、チュニジアもイタリアとフランスの領土争いの末、フランス保護領となりました。
そんな時代の1889年にチュニジアでSFBTは誕生しました。
公式HPによると、どうやら最初は「アイスクリーム」製造工場としてスタートしたとの記載があります(要検証)
そのため、ビール醸造の始まりは20世紀に入り1925年にようやく設備を導入します。
新規導入した醸造設備で最初に出来上がったのは「ステラ Stella」というビールブランド。
「☆」マークが印象的なラガースタイルビールで、1927年にリリース開始されました。
SFBTは1935年に麦芽生産工場を立ち上げるまで進めていきました。
その裏にはビール販売が好調だったのかと推察できます。
今回のセルティアが誕生したのは世界大戦終戦後の1951年。
高級ブランド路線をコンセプトに造り上げられたセルティアはSFBTブランドの新しい顔になります。
まとめると
<創業>
・フランス植民地時代にアイスクリーム工場からスタート
<創業年>
・1889年 創業
・1925年 ビール事業開始
・1927年 第一号ブランド「ステラ」販売
・1951年 高級ブランド路線「セルティア」発売
Tips!:フランスの一大ワインGr「カステル」グループに買収されるSFBT
チュニジアでビールメーカーとして確固たる地位を築いてきたSFBTですが、転機が訪れたのは1979年の頃。
SFBTは背景が不明ですが1979年に国営→民営企業に形態変更します。
そして、フランスのワイン取引販売を主とする「カステル Castel」が主要株主になります。
カステルはフランスのボルドーで設立されたワインの取引とアフリカ諸国の飲料(ビール・ワイン等アルコールも含む)事業に携わるグローバル企業。
加えてフランスの植民地として扱っていた国では仕事がやりやすい環境下にあったかと想像できます。
チュニジアで最も影響力のある飲料会社になっているSFBTに介入することによって、国内の販売や隣国の進出にも適したのでしょう。
2019年、カステルはSFBTの所有株割合を過半数にまで買い増しをし「経営傘下」に。
参照画像:サントリーHPより
ちなみに日本でカステルGrといえば、サントリーが提供しているワインブランドの「バロン ド レスタック」が有名です。
ブランドとしてはステラとセルティアのみ
SFBTのラインナップはシンプルに「ステラ」と「セルティア」になります。
意外と(?)ストイックな品揃えのSFBTですが、ステラにはブラックという黒ビールタイプも。
セルティアのレビュー まとめ
こんな方におすすめ
- 麦の味わいが好きなひと
- アメリカンラガーでは物足りないひと
- 珍しい国のビールを飲んでみたいひと
こんなシチュエーションで
- ぐいぐいビールを飲みたい気分に
- 暑い季節に
- 食中のお酒として
SFBT醸造所のフラッグシップブランドである「セルティア」
たまには、日本の大衆ビールを離れてチュニジアの有名ブランドビールを楽しんでみては??
ではまた。