このビールはこんな感じ!
・「他のクラフトビール」とは違う確立した旨味を感じさせる伝説的ビール
・すべてのビール好きはもちろん、初心者にもおススメ
・アメリカクラフトビールの始まりを告げた至高のペールエール
Hello!
本日の一杯はアメリカから最高のアメリカンペールエールとして代表される「シエラネバダ」の「ペールエール」をご紹介します。
多くのクラフトブルワリーが「目標」として掲げているほどに美味い!と知られているのがこのペールエール。
もくじ
シエラネバダ ペールエール 基本スペックとおススメできるひと
価格帯
☆☆ 300-500円レンジ
入手難易度
☆☆ 海外ビールに強い量販店で入手可能
アルコール度
5.6%
タイプ
ペールエール
シエラネバダ ペールエールの味わい
- 香水のようなフローラルな香り
- 雑味の無いこなれた造り
- どっしりしたコクとホップの痛快な苦み
- ジューシーな麦汁の甘みとですべからく「絶妙な」バランス
- 万人が飲んでも「美味い」と思わせるチカラがある
テイスト分布図
参考
<数値について>
▶あっさり:2.0 ☞ややとろみを感じさせる
▶コク :2.5 ☞絶妙なバランス
▶苦み :3.0 ☞やや苦みが強い
▶酸味 :2.0 ☞良いアクセント
▶甘み :2.5 ☞ジューシーで深みがある
こんな方におすすめ
- アメリカのクラフトビールに目が無い
- ホップの苦みと香りがたまらないマニア
- ビールを飲む「すべてのひと」へ
こんなシチュエーションで
- スパイシー料理・肉料理といっしょに
- ホップの香りでリラックスしたいときに
- 友達といっしょに
- ひとりの時間でじっくりと味わう
今から40年以上前にリリースされた革新的クラフトビール【シエラネバダ ペールエール】
大手が作り出す画一的なテイストに反するようにそれぞれの醸造所が独自に練り上げたコンセプトで醸されるクラフトビール。
現代でこそ私たち消費者はいろんな場所・種類のビールスタイルを選ぶことが出来るようになりましたが、そうした環境を作り出した黎明期のブルワリーはどんなところだったのでしょうか。
歴史を紐解くと、クラフトビールブームはアメリカからスタートしたと言われています。
大手醸造所がリリースしていたラガーテイストのビールが主流の1980年代。
ある醸造家がリリースしたペールエールが持つ「フローラルな香りと飲み始めと終わりで変化する風味」がこれまでの単調なテイストのラガービールしか味わってこなかった人々を震わせます。
それが今回ご紹介するブランド「シエラネバダ」の「ペールエール」。
発売から40年以上経った今も「アメリカクラフトビール」の顔とされる一本です。
ポイント
<そもそもペールエールってなに???>
☞ ペールエールはイギリス発祥のエール系ビールスタイル
☞ 誕生したのは18世紀、次第にアメリカへ伝播していく
☞ それまでのイギリスで飲まれたエールは濃褐色が主流
ソレよりも淡い色合いの液だったので「Pale(英:淡い)」と命名
☞ イギリス式のペールエールは麦(モルト)の風味が強い
☞ アメリカ式のペールエールはホップの風味重視でIPAに似ているところも
<シエラネバダの魅力>
☞ ホップのフローラルな香りで永遠に嗅いでいられる
☞ 口に含めば奥深いコクとジューシーな甘みを味わえる
☞ 後半の苦みが丁度良い塩梅で次も飲みたくなる
☞ 口当たり・風味・香り・・・、すべてが適度なバランス
アメリカでは多くの醸造所がペールエールをリリースしていますが、その多くが「ホップ」の主張が強い設計になっています。
しかし、シエラネバダのペールエールは一度飲んだら「完璧」である理由が本能で理解できるテイスト。
「香り・のど越し・コク・苦み・甘み・酸味・香り」すべてが絶妙なバランスで設計されているため、何度でも購入して飲みたいと思わせる確立したクオリティです。
その完璧なテイストは、かの有名なスコットランドの世界規模ブルワリー「ブリュードッグ」の創業者が理想とするブランドとされているほど。
身近なテイストイメージとしては日本の「ヤッホーブルーイング」社がリリースしている「よなよなエール」が一番親しみやすいブランドとなるでしょう。
シエラネバダペールエールを入手できるひとは、ぜひ他のペールエールと比較してみましょう!
※そもそもビールの種類や原材料についてよく分からない!というひとにおススメの記事
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【ビールの知識シリーズ①】ビールの種類は2つ覚えればOK!わかりやすく解説します!
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【ビールの知識シリーズ②】原料・副原料のことを知ってビールをもっと楽しもう!
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アメリカ人創業者による輸入業[ナガノトレーディング]
シエラネバダの輸入元になっているのが「ナガノトレーディング」なる会社。
調べてみるとアメリカ食文化の発信を使命として運営されている輸入業者でした👇
ナガノトレーディングってこんな会社!
▶ 1996年2月にアメリカ人の「アンドリュー・バルマス」氏がニューヨークで創業
▶ 2004年に日本支社「有限会社ナガノトレーディング」を設立
▶ クラフトビールの劣化を避けるため「100%冷蔵運搬・管理」をモットーに提供
アメリカのクラフトビール醸造所は2020年時点で10,000弱!(2000年の1,500から6倍強)にまで膨れ上がっていると言われています。
参考までに日本のクラフトビール醸造は400程との算出(2020年時は想定)。
大衆的なビールブランドに飽き飽きした人々が「自分好み」と「共感できとる信念を持った」クラフトビールに関心が集まっているからこそ、アメリカ・日本ともに市場が広がり続けているのでしょう。
ナガノトレーディングはそんなアメリカのクラフトビールの魅力を日本に普及するため、最高の状態で輸入することにこだわりを見せているのです。
ちなみに創業者のアンドリュー氏はHP上のお写真を拝見すると、トム・クルーズさんの雰囲気(?)を感じさせました。
神奈川・東京で3店舗!直営店の「アンテナ アメリカ」でフードと一緒にグイっと!
実はナガノトレーディングが運営しているのは卸業だけではありません。
自社で運営している個人客向けのビールバー「アンテナ アメリカ」という飲食店があるんです!
アンテナ アメリカは何十種類ものアメリカンクラフトブランドのボトルと定期的に入れ替えをしている樽生ビールを数種類取り揃えています。
2013年に神奈川県横浜市中区吉田町(JR関内駅そば)に1号店舗を開店したのち、現在では横浜駅・品川駅そばの超好立地に3店舗ある「アンテナ アメリカ」
品川店に友人と訪れたことがありますが、フードコート内にあるため、周囲の店舗が提供している食べ物を好きなように購入して自分好みのマリアージュを楽しむことが可能。
関内・横浜はハンバーガーやフライドチキンなどの「アメリカンなフード」も注文できるためおススメします!
Tips!:アンテナ アメリカ1号店の関内店へ訪問したら至福の時間を過ごせた!【体験レビュー】
海外ビールブロガーとしてぜひ訪れておきたい!ということで住まいの千葉から電車で1時間。
神奈川県・横浜-関内にある「アンテナ アメリカ関内店」まで訪れました。
JR関内駅が最寄ですが、歩いて10分ぐらいの距離にあるため少々歩きます。
雑居ビルの「第6吉田興産ビル」の5Fが目指す「アンテナアメリカ関内店」。
エレベーターで5Fに上るとすぐにアンテナアメリカの入り口。
冷蔵ショーケースには大量のアメリカンクラフトビールが!
参考
<アンテナアメリカのルール>
1)注文は都度キャッシュ制
☞飲みたいビールが決まったらカウンターでお支払いしよう!
2)冷蔵ショーケースのビールは店内or持ち帰りOK!
☞宅飲みしたい方にもおススメ!
3)アメリカ直輸入の樽生も10種類ほど常備!
☞仕入状況で都度ラインナップが変わるため、要チェック!
店内にはシエラネバダ醸造所のオリジナルグッズを中心にTシャツやグラスなど買いたくなってしまうアイテムがたくさんあります。
管理人はここでシエラネバダが作っているマスタード(!)と「寿が〇や」のようなスプーンフォークオープナーを購入(笑)
もちろん、樽生のシエラネバダ ヘイジーリトルシングIPAを片手にフライドチキンを堪能しました。
東京都民の方々にとっては関内まで足を運ぶのが億劫になるかもしれませんが、横浜方面に行く用事があれば絶対に立ち寄ってみることをおススメします。
ちなみに管理人はシエラネバダが作る「ハニーマスタード(購入時:550円)」をお土産に購入!
なんとこのマスタードは実際にシエラネバダのペールエールが使われている商品なのです!(スタウトが使われているタイプも売っています)
気になるお味は辛みがほとんど無く、酸味とコクとホップの風味が程よく効いている低刺激なマスタード。
ソーセージにかけるも良し、肉類との相性はバツグンでたくさんかけても辛くない優しい味わいが魅力。
<Information>
アンテナ アメリカ 関内店
住所:神奈川県横浜市中区吉田町5-4 第6吉田ビル5F
TEL:045-315-5228
営業時間:月~木 15:00~22:00
金 12:00~22:00
土日 11:00~22:00
平均予算:ビール1杯600~ フード500~
備考 :樽生ビールはピッチャーあり(4000円前後)
ビール1杯ごとのポイントカード制度あり
最寄り:JR京浜東北線-「関内駅」がおススメ
※桜木町駅から歩いてみたことがありますが、ちょっと遠いのでおススメしません(笑)
シエラネバダの本拠地:カリフォルニア州とチコについて
という方も多いのではと感じるアメリカ・チコという町。
チコはロサンゼルスやサンフランシスコがある「カリフォルニア州」のなかで州都であるサクラメントから北へ車で1時間30分。
人口10万人弱のチコは今回ご紹介している「シエラネバダ醸造所」の拠点がある町として、ビアマニアのみならず多くの観光客が訪れています。
またチコは東部にラッセン火山国立公園やプラマス国有林などの大自然が広がっているため、アクティビティ目当てで訪れる人たちも。
チコに着いたら、シエラネバダ醸造所を訪れるのはもちろんのこと(?)時間が空いた時に訪れてみたいスポットがあります👇
チコの観光名所
■ 有名観光スポット
【アッパー・ビッドウェル・パーク】
【ビッドウェル・マンション】
【Chico Air Museum】
→チコ空港隣接の航空発物館
■ こちらも忘れちゃいけない!
【ファーマーズマーケット】
【Secret Trail Brewing Company】
→シエラネバダ醸造所にほど近いブルワリー
などなど・・・
チコへのアクセスですが、日本から向かう場合は州都のサクラメント国際空港がひとまずの目的地となります。
ただ、問題はチコまでの公共機関がなかなか見つからない・・・。
運転が苦では無いひとはサクラメントでレンタカーを借りてチコまでドライブするのが確実。
怖いひとはUberなどの配車サービスを利用するのも1つの手。
片道でおおよそ100$平均と算出されるため、検討する価値はあります。
TIPS:アメリカの基本情報
国名:アメリカ合衆国
首都:ワシントン特別行政区
言語:英語
人口:約3億3千万人(2019年)
宗教:キリスト教が主流
日本から直通便:ニューヨークやシカゴなど多数都市と結んでいる
通貨:米ドル(1ドル=平均100円前後)
日本との時差:東西エリアで14-17時間と差がある(日本が12時なら米が深夜10時~)
創業1980年:クラフトブームを先駆けたブルワリー[Sierra Nevada Brewing Co.]
※Sierra Nevadaの創業者:ケン・グロスマン氏
参照画像:Forbes.com HPより
Sierra Nevadaの創業者「ケン・グロスマン(Ken Grossman)」氏は全米でも有数の億万長者として名を連ねるほどビール事業で成功している人物として有名。
1954年生まれのグロスマン氏はクラフトビール文化の中心に語られる方ですが、彼の歴史をたどると面白いものが見えてきます。
グロスマン氏が最初にビールのことを知ったのは子供時代、隣家に住んでいた友人の父親から大きく影響を受けたと語っています。
友人の父親は当時では珍しい自家醸造を行えるほどの知識と経験を有していた人物。
アメリカで最古参の「マルトース ファルコンズ Maltose Falcons」という自家醸造をともに共有して楽しむクラブ団体にも所属していたほど。
グロスマン氏は自家醸造家と団体との関係を通して、ビールの世界に熱中します。
マルトースファルコンズには大手醸造所のメンバーも参加しており、グロスマン氏はその伝手で上質なモルトやホップを手に入れていたと言われています。
グロスマン氏が初めて自家醸造に挑戦したのは、1969年。
母親に内緒でビールキットを購入したグロスマン氏は当時わずか14歳でビールを醸造するという経験を得ました。
1972年に現在のSierra Nevada breweryのあるカリフォルニア州チコに家族ごと越してきました。
越してきてからもひたすらにビールを自家醸造し続ける日々だったと言われています。
そんなグロスマン氏は1976年(当時22歳)の時に、自分の商売を始めました。
それがワインやビール用の醸造用品を販売するという仕事。
この時、グロスマン氏は自分が醸造家になる決心まで抱かなかったと語っています。
決心したのは1978年、アンカースチームビールで有名な醸造所「アンカーブリューイング Anchor Brewing Company」の閉鎖から救った人物「フリッツメイタッグ Fritz Maytag」氏と関わったことで大きな刺激を受けました。
醸造家になることを決心したグロスマン氏は同年、シエラネバダ山脈への旅行を通してこれから設立する自分の醸造所の具体化を練りあげます。
Sierra Nevadaを創業するにあたり、もう一人「ポール・カムシ」氏と一緒に力を合わせて計画を進めていきました。
そして1980年、醸造用品屋を売却したお金を足しにして「Sierra Nevada brewing」がスタート。
最初の生産はスタウトを5バレル分(1バレル=約120L)仕込みました。
創業時は現在のような大規模で最新式の醸造設備などまるで無く、DIYで自ら作成したつぎはぎの醸造設備(元酪農用や中古のブルワリーパーツなど)。
そんな黎明期にリリースしたペールエールは、その香りとコク・ホップの鮮烈な後味は当時のビールスタイルとは完全に違う次元にあり、瞬く間にグロスマン氏とSierra Nevada Brewingの名は周囲に知れ渡っていきます。
1980年代には、殺到する受注に対して応えるために醸造所の増強を進めていきますが、需要と供給の中で生産量を増やし続け2012年には1,000,000バレル(!)という生産量にまで至っています。
現在はアメリカ東海岸のノースカロライナ州にもう1つ醸造所を設けて全米に出来立てのビールを提供。
60代になってもグロスマン氏は精力的にビールを造り続け、アメリカのクラフトビール界の中心となってビールの魅力を発信し続けています。
まとめると
<創業者>
・ケン・グロスマン
・ポール・カムシ(1998年に引退)
<創業年>
・1980年 「Sierra Nevada Brewery」誕生
・1980年 醸造所第1号ビール「スタウト」誕生
・1980年 「Pale Ale」誕生・販売
・2009年 通年商品として初のIPA「TORPEDO」誕生
・2015年 ノースカロライナ州ミルズリバーに第2醸造所設立
(経営は息子のブライアン氏)
▶ 現在 =全米で3番目に販売量の多い超大手クラフトブルワリーへ
(ブルワーズアソシエーション2020調査による)
通年販売を中心に「季節限定」「リミテッド」など豊富なラインナップ
創業者のケン・グロスマン氏が大好きな山「シエラネバダ山脈」から名付けられた同醸造所。
はじめてペールエールを飲んで虜になったひとも、昔から愛しているコアなファンもぜひ他ラインナップはどれも必飲の価値があるブランドばかり!
ラインナップ
<通年販売品>
■ TORPEDO IPA (7.2%)
■ FANTASTIC HAZE imperial IPA (9.0%)
■ DANKFUL Generously Hoppy IPA (7.4%)
■ TROPICAL TORPEDO (6.0%)
などなど・・・(多いので一部割愛)
<季節限定>
■ OKTOBERFEST amber marzen (5.5%)
■ CELEBRATION IPA (6.8%)
などなど・・・(多いので一部割愛)
<限定>
■ NARWHAL Imperial Stout (10.2%)
■ BIGFOOT Barley wine-Style Ale (9.6%)
などなど・・・(多いので一部割愛)
管理人的に最近飲んで「これは美味い!」と感じたのは上記に記載していないですが「ヘイジーIPA」のリトルシングと言うブランド。
ヘイジーIPAは通常のIPAよりもフルーティで飲みやすく、苦みも抑えめにされているため女性を中心に好まれるビアスタイル。
シエラネバダ ペールエールのレビュー まとめ
こんな方におすすめ
- アメリカのクラフトビールに目が無い
- ホップの苦みと香りがたまらないマニア
- すべてのビールを飲むひとへ
こんなシチュエーションで
- スパイシー料理・肉料理といっしょに
- ホップの香りでリラックスしたいときに
- 友達といっしょに
- ひとりの時間でじっくりと味わう
香りとコク・飲みやすさ・ホップの苦み・・・、すべてが最高のバランスで成り立っている「クラフトビールのお手本」と称される「シエラネバダ ペールエール」。
たまには定番のビールから一歩飛び出してアメリカの伝説的クラフトビールを楽しんでみませんか?
至福の時間をぜひ。